サウジアラビアでトルコ人理髪師、神を冒涜した罪で死刑へ
2008年04月11日付 Milliyet 紙

 ハタイ県サマンダー郡から11年前にサウジアラビアに行き、床屋を開業したサブリ・ボーダイ(31)は、神を冒涜し、13ヶ月間刑務所に収監されている。ボーダイには死刑判決が言い渡された。トルコ当局の尽力が結果につながらなければ、収監されているこの若者の首が切られ、死刑が執行されることになる。

 サウジアラビアのジッダで床屋を営むサブリ・ボーダイは、仕立て屋を営むエジプト人隣人と原因不明の理由で口論した。その後、現場に駆けつけた警官にエジプト人の隣人は、「この男は神を冒涜した」と言うと、ボーダイは逮捕され、刑務所に収監された。
 13ヶ月間、刑務所に収監されているボーダイは、この間に8回の審問に出廷した。一方、誹謗中傷をしたと主張されているエジプト人は、逃亡し、姿をくらました。最後の審問で、死刑の判決が出されると、ボーダイは上訴を申し出た。しかし数日前、ボーダイのそばにやってきた刑務官が手にもっていた電話を差出し、「お前の首を切る。家族に電話してお別れを言いなさい」と言ったことで、ボーダイはショックを受けた。家族に電話をかけたボーダイは、大変な恐怖感を感じていること、そして近日中に死刑に処される予定であることと伝え、家族に別れを告げた。

 サブリ・ボーダイの死刑が、上訴によって出される判決よりも前に執行されることを恐れる家族は、トルコの当局者に働きかけを訴えた。家族は、アブドゥッラー・ギュル大統領を筆頭に、エルドアン首相、アリ・ババジャン外相から助けを求め、「サブリをどうかお助け下さい」と涙ながらに訴えた。

 サブリ・ボーダイと3年前に結婚し、結婚式の後、夫と共にサウジアラビアに行った26歳のムアッゼズ・ボーダイさんは、これまでの13ヶ月の間に心労のため20キロも痩せた。サブリ・ボーダイさんは、こう話す。

「エジプト人仕立て屋のところに行き、『どうしてこんなことをしたのですか。サブリは絶対に神を冒涜するようなことはありません。息子と私に少しも同情しないのですか?私はこんなところで一人きりでどうすればよいのでしょう。あなたは神を恐れないのですか』と問い詰めました。エジプト人は私に『それは私の問題ではない』と言いました。その後、彼は審問にも出廷しませんでした。我々が調べてみると、彼は店を閉じ、逃亡したと知りました。サウジアラビアに住む私の兄がやってきて、私をトルコに送り返しました。それ以後、今日まで父の家で生活しています。
息子は父親のことを思い出せないのです。父親のことを忘れさせないために、毎日、写真を見せています」

死刑判決が言い渡された公判後に上訴したボーダイの次の審問は15日以内に行われると見込まれている。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:13555 )