“イラン・ヒョウ”の名が消える!(上)
2008年04月13日付 E'temad-e Melli 紙


 毎日のようにわが国の自然について憂鬱なニュースが飛び込み、自然愛好家や専門家たちを大いに心配させている。にもかかわらず、残念ながらイランの野生生物の絶滅の速度に私たちの対応は追いついていない。

 このような中で特に注目すべきなのは、近隣諸国が野生生物の保護に目を見張るほど力を入れていることである。近隣諸国に比べても、イランの大地は独自の生命の多様性を誇っていることに疑いの余地はない。しかしながら、イランという国は生物の保護に関して多様な出版物や著書、プロジェクトが世に問われる代わりに、指導的な地位にいる専門家たちの間だけではなく、大学に入りたての学生にさえ、意見や見解の対立の激しいところだと考えた方が良いようだ。

 このような中でもっとも犠牲を強いられているのが、我が国の野生生物・自然遺産であることは間違いない。この先イラン・オオカミはインド・オオカミと呼ばれるであろうし、学術名に我が国の名が残ってはいるものの、アジア・ライオンはすでにインド・ライオンと呼ばれている〔※〕。そして今度はイラン・ヒョウの番なのである。
〔※アジア・ライオンは学術名をPanthera leo persicaといい、その名に「ペルシア」の名が含まれている〕

 ヒョウは広大な範囲に渡って分布しており、体毛の配色の多様な型や形態論的な特徴から、1930年にPocockによって27種類の基本的な亜種に分類された。しかし1996年、Miththapalaとその共同研究者は分子遺伝子の技術及び形態論上の測定によって世界中のヒョウを調査し、独自の解析・分析を行った結果、ヒョウは地理的にアフリカ・中央アジア・インド・スリランカ・ジャワ・東アジアの6種類に分類されると発表した。彼らはその上でヒョウには8種類の亜種がいることが確認され、中央アジアのヒョウはイラン・ヒョウ、学術名P. p. saxicolorとして分類されたのである。

つづく

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( 翻訳者:綿引香緒里 )
( 記事ID:13585 )