ハマースがカラム・アブーサーリム通行所を攻撃、カーターはダマスカスでマシュアルと会見
2008年04月20日付 Al-Ahram 紙
■カラム・アブーサーリム通行所への攻撃で、イスラエル兵士13人負傷
■カーター元大統領とマシュアル氏、二日にわたり事態沈静化と捕虜交換を協議
2008年04月20日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アブルホウル、エルサレム・諸通信社・ダマスカス:アイマン・アル=マフディー】
先々週にジハード運動と他の二つの武装勢力がナハル・オズ通行所への軍事作戦を決行してから10日、ガザ・イスラエル間の国境通行所を標的とした二度目の攻撃が行われた。3人のパレスチナ抵抗分子がガザ地区とイスラエルを分断するカラム・アブーサーリム通行所を攻撃し、イスラエル兵士13人を負傷させた。イスラエル軍の報道官は兵士13人の負傷を認め、中東通信社(MENA)は「イスラエル人将校1名が通行所への攻撃で死亡」と報じた。
パレスチナ情報筋は「通行所攻撃に別の二名と参加したイハーブ・ナイーム・アブーウマルという名のハマース・メンバーが、通行所付近で爆弾を搭載した自動車を爆破させた際に死亡した。またパレスチナ人と占領軍との間で激しい戦闘が起き、複数のパレスチナ人が殺された」と述べた。ハマースの軍事部門であるカッサーム団のアブー・ウベイダ報道官は、カラム・アブーサーリム通行所での爆発によるイスラエル占領軍側の損害は、公表されている数よりも多いと明言した。
昨日ハマースは市民に対し、ガザ地区北部のベイト・ハーヌーンに位置するエレズ通行所前で平和的なデモ行進をするよう呼びかけ、「ガザ地区を囲い込んでいる各地の通行所に向かうことで、ガザ住民の標的はエジプトとの国境であり、パレスチナ-エジプト間の国境の爆破だ、とこれまでに言われてきたことが違うと見せつける」と語っていた。
またイスラエル情報筋によると、パレスチナのロケット弾数発がスデロット市に発射され、その一つが電力網を直接損傷して、同市の住宅地の多くが停電したという。「パレスチナのロケット弾はスデロット市を暗闇に変え、ユダヤ人の復活祭の喜びを台無しにした」と同筋は述べた。
他方でアメリカのジミー・カーター元大統領は昨日サウジアラビアに向かう前、ハマースのハーリド・マシュアル政治局長とダマスカスで二日間で二度にわたり会合を行った。同会合ではカーター元大統領が用意したメモの内容を取り上げたが、そこには事態の沈静化、捕虜となっているイスラエル兵ギラード・シャリットとパレスチナ人捕虜100名の交換、パレスチナに対するイスラエルの封鎖解除の三点が記されていた。ハマース指導者の一人であるムハンマド・ニザール氏は「ハマースは事態の沈静化に賛成する。ただし見返りが必要だ」と述べた。
カーター元大統領は一昨日のマシュアル氏との会見で、イスラエルの副首相兼産業貿易相であるエリヤフ・イシャイ大臣が捕虜交換の問題に関してハマース高官と会うことを望んでいるということと、「好意的な意図を示すために」ガザからのロケット発射を停止するようにという、二つの要望を提出していた。二ザール氏は「カーター氏はこの二つの要望への返答をまだ受け取っていない」と述べた。
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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:13643 )