リビア代表の「ホロコースト」発言に反発して国連安保理の議場から西洋諸国が退席、ガザ地区に関する声明の採択ならず
2008年04月25日付 Al-Ahram 紙

■ ガザ地区関連の声明採択を阻止するため、国連安保理の議場から西洋諸国の代表が退席
■ 国連は暴力の増加に警告、アッバース大統領はイスラエルとの深い溝について言及

2008年04月25日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン:ホダー・タウフィーク、アースィム・アブドゥルハーリク、ニューヨーク:ターリク・ファトヒー】

 一昨晩、国連安保理はガザ地区の状況に関する声明の採択に再び失敗した。リビア次席大使がガザ地区におけるパレスチナ人の苦難を、ヒトラーがユダヤ人に対して行ったホロコーストになぞらえて描写したことに抗議し、西洋諸国の代表が協議の場から退席したのである。

 マーギド・アブドゥルファッターフ駐国連エジプト大使は、米・仏・英・ベルギーの代表が議場から退席したことに対して驚きの念を表明し、「このような事態は前例がない」と述べ、彼らの行動は、ガザ地区のパレスチナ人が置かれている非人道的な状況についての議長声明の採択を阻止したいという願望のあらわれだと指摘した。

 またアンゲラ・カイン国連政務局事務長補は、中東とパレスチナ問題をめぐる安保理の午前中の協議において、地域における暴力が増大し、エジプト・パレスチナ・イスラエル各国の治安に影響する可能性があるとの懸念を示した。またカイン事務長補は、アラブ和平イニシアチブに対する国連の支持を確認し、中東和平を模索する上での基本的な要素の一つであると評した。

 他方、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は今回のワシントン訪問中にコンドリーザ・ライス米国務長官と会談し、そこで「パレスチナ人とイスラエル人との間には、交渉をめぐって深く広い溝がある」と語りながらも、この交渉の継続を約束した。

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:13689 )