15YTLのために時に死出の旅へ:南東部の農業労働者の暮らし
2008年05月05日付 Radikal 紙
トルコ南東部の農業労働者たちの「収穫移動」が今年も始まった。彼らは例年トラックの荷台に乗って旅をしては交通事故で世間の話題となっていたが、今年はワゴン車でのすし詰めの旅である。低収入者が多く暮らすシャンルウルファのエユビイェ地区の大半は、アナトリア内陸部の畑で日収15-20新トルコリラ(約1000~1500円)で玉葱の収穫や砂糖大根の作業に従事するため旅立っていった。人間の市を思い起こさせるエユビイェ地区では、何百もの家族が身辺道具と共にワゴン車やバスを待っていた。子供や女性の農業労働者の多くは、バスが来るや否や大急ぎで荷物をトランクに入れ、席取り合戦を始めるのだった
■ 席取り合戦
バスの中で安くあげるためバスの中で立ったままで旅をすることを選んだ労働者や、席が得られなかった人々は、通路に荷物を置いてそこに座ることになる。南東部の子供の農業労働者にとって、学校はもはや終了されたも同然である。彼らは通信簿ももらわずに教師や友人のもとを離れ、やむない労働の旅に出るのだ。
大部分の人々は生活の困難から労働の旅に出るのだが、一方でこの地域には結納金の習慣があり、このことが特に若い男性に農業労働者となることを強いている。2万-5万新トルコリラ(約150万-380万円)を支払うことで結婚が可能となる若者たちは、結婚の数年前から農業労働でお金を貯める杞憂にかられるのだという。毎年家族と共に農地へ働きに行っているハリル・アクソイさん(19)も結納金を稼いでいる最中で、「結婚する年齢になるまであと2-3年なので、結納金のため収穫の労働に参加しています。ここでは、若者は好きな娘とではなく、持っている金額に応じて結婚相手を決めるほかないので」と語った。
■ 第二夫人を娶り、借金を抱えて…
シャンルウルファ出身のムスタファ・ボズカンルさん(31)の場合、「第二夫人費用」が労働の理由である。最初の結婚でもうけた2人の子供が精神障害を持って生まれたため、家族の圧迫を受けて妻に加えて第二夫人を娶り、結納金1万3千新トルコリラ(約100万円)はあちこちから借金をして帳尻を合わせた。今は夏じゅう玉葱の収穫に従事し、稼いだお金で借金を返そうと考えている。
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( 翻訳者:川原田喜子 )
( 記事ID:13736 )