選ぶも困難、選ばれるも困難 -イタリアで早期総選挙
2008年04月13日付 Milliyet 紙

イタリアでは、右派ベルルスコーニ氏と左派ヴェルトローニ氏が接戦で競っている早期総選挙によって、第二次大戦以降61代目内閣が任命される。

第二次大戦から今日まで60の内閣が設立されてきたイタリアでは、中道左派連合ロマーノ・プローディ内閣の崩壊を受け、総選挙のため今日(13 日)と明日(14日)、投票が行われる。約4700万人の有権者が投票する今回の選挙では中道右派のスィルヴィオ・ベルルスコーニ氏の自由国民党と中道 左派のワルテル・ヴェルトローニ氏の民主党の激戦が予想される。
71歳になるベルルスコーニ氏は、2週間前の世論調査によれば52歳のライバル、ヴェルトローニ氏を9ポイント上回っている。だが、前ローマ市長ヴェルトローニ氏は、選挙活動の最後の日々を有効に活用し、その差をほとんど埋めたことが明らかになった。
イタリア国内の経済問題に対して政界が新たな解決策を生み出せないことが選挙への関心を薄めた。そのため、今日の投票率は下がることが予想される。イタリアは(経済成長率が)0.3%とヨーロッパ連合(EU)内での最悪の経済状態にある。首相職に立候補したベルルスコーニ氏とヴェルトローニ氏は、減税、 官僚制度の見直し、国会議員数とその給与の引き下げ、といったよく似た公約を掲げた。

■また失言した
ベルルスコーニ氏が選挙期間中に発した失言により、(人々の)選挙に対する関心が保たれた。左派に票を投じるつもりの人たちを、愚かであると中傷したベルルスコーニ氏は、「イタリア人がこんな罠にはまるとは思わない」と話した。三期目の首相職に就こうと準備中のベルルスコーニ氏は、左派に票を投じると明らかにした (サッカーの)クラブ・ローマ所属のミッドフィルター選手フランチェスコ・トッティーを指して、「彼は頭がおかしい」と発言した。
クラブ・ローマのサポーターらの大きな反発を受けるとベルルスコーニ氏は、「私はトッティー選手が好きだ。悪かったね。いい青年だよ。(彼は)左派に悪用されているのだ。彼の奥さんも私の所有するテレビ局で働いている」と言い、謝罪した。

一方、ヴェルトローニ氏は、政界の変わる必要があるとし、有権者に「(これまでの政治の)ページを閉じよう」と呼びかけ、こう述べた。「ベルルスコーニは実に嫌味なメッセージを発している。私には我慢ならない。トッティー選手についての発言は、国民の半分を愚弄したも同然だ。世界中いかなる国においても、政治家が『自分とは異なる考え方をしている』といってサッカー選手を侮辱するなど許されない」と話した。

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( 翻訳者:高橋萌・萩原絵理香 )
( 記事ID:13774 )