エジプトの調停でパレスチナ諸勢力がイスラエルとの停戦受け入れへ
2008年04月30日付 Al-Ahram 紙

■ パレスチナ諸勢力、エジプト後援の包括的国民対話と事態沈静化を同時に受け入れ
■ カイロ協議の参加者たちは危機終焉に向けたエジプトの役割を賞賛
■ ウマル・スレイマーン情報長官、パレスチナ人への攻撃中止要求のためイスラエルを訪問

2008年04月30日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【カイロ:サミール・アル=サイイド記者】

エジプトは昨日から始まったイスラエルとの講和に向けた共同合意の締結を目的とする12のパレスチナ勢力との個別協議を今日、再開した。協議に参加した勢力の多くがガザ地区の封鎖解除と通行所開放と引き換えに、ヨルダン川西岸とガザ地区の全域でパレスチナとイスラエルの双方が同時に〔攻撃を停止する〕ことを条件としたハマースの停戦案を受け入れることで一致した。

協議前に本紙に語った勢力の多くが講和案への合意の条件としてパレスチナ諸勢力の総意とエジプト後援による広範囲な国民対話の開始を挙げていた。その一方でいくつかの勢力はハマース案への留保を口にしつつも、それが合意を台無しにすることは無いと強調した。

すでにハマースは、ガザ地区から始まって6ヵ月後には西岸地区にも適用される段階的な停戦を受け入れる用意があると発表している。

ガザ地区と西岸での停戦開始時期については大半の勢力が柔軟性を示し、6ヶ月の代わりに3ヶ月を主張したものもあった一方で、この点について停戦継続のためには西岸とガザ地区で同時に停戦が開始されることが必須条件だと強硬に主張するグループもあった。パレスチナの全勢力が、現在の危機から脱出するためにパレスチナ人の至上の利益を擁護しているエジプトの役割への評価を表明しており、諸勢力との協議責任者である治安関係者は「協議では前向きな徴候が見られた。エジプトへの評価も高い」として、「協議の目的は停戦の実施に先駆けて停戦への合意に至ることであり、今後の方向性を見出すことにある。そうすることでパレスチナ人の流血を止め、苦悩を軽減し、封鎖解除に向けて最も複雑な諸問題に対処するための道を開き、事態を正常な状態に戻すことができるだろう」と続けた。また同筋によれば拡大協議は今日終了する予定で、パレスチナの国民融和に到達するために時間との競争が繰り広げられていると説明し、「停戦は組織問題でもなければ特定のグループにのみ係わる問題でもなく、包括的であるためにはパレスチナのあらゆるグループ、あらゆる派閥の協調が必要なのだということが周知されねばならない」と強調した。

さらに同筋は「今回の協議の後、エジプトは地域・国際レベルで集中的に行動し、合意内容をいかに実現に移すかについて協議を行うことになる。そのためウマル・スレイマーン情報長官がイスラエルを訪問し、パレスチナ人への攻撃を中止して、柔軟かつ積極的な姿勢で状況に対処するよう要求する。講和はパレスチナとイスラエルの双方によって成り立つのであり、どちらか片方では成り立たないのだから」と語り、「講和は終りではなく重要な局面の始まりであり、様々な要素によって複雑化している問題をそこで整理し直す」とつけ加えた。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:13800 )