イラク原油、クルド自治区並びにイランを経由して湾岸へ
2008年05月13日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■タンクローリー、クルド経由でイランへ通過
2008年05月13日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【アルビル:本紙】
本紙が得た情報によれば、クルド自治区は、20000から35000リットルサイズのタンクローリーを用い、イラン国境及び同国港湾経由でアラブ首長国連邦にイラク石油を販売している。
情報によれば、これはバグダードのイラク公式筋とクルド自治区の関係諸機関の間で合意のうえ行われている取引である。ビージーで原油を載せたタンクローリーは、詳細が明らかにされていない複数の企業の手を経てクルド自治区を通過しイラン領内へ入る。スライマーニーヤとハーッジ・イムラーンにある国境通行所を越えるタンクローリーの数は100から150の間である。
ハーッジ・イムラーン税関局長、エドワード・ジャバリー氏は、この件につき本紙に「原油を積んだトラック多数が毎日イラク国境をイランへ抜けていく」と述べた。局長はそれらトラックの数を明らかにしなかったが、「それぞれが積んでいる原油の量は10000から35000リットルの間であり、1トンにつき5000ディナールを徴収される」と告げた。また、「このひと月近く行われている事であり、これらの原油はクルド自治区とビージーから来ている。アルビル・ナンバーの大型タンクローリーの通過については自治区の天然資源省が許可している。国境の向こう側で、積荷はイランのタンクローリーに移され、特定できない複数の場所へ輸送されている模様」等付け加えた。日々どれだけのタンクローリーが国境を越えているのかについては、エドワード・ジャバリー氏は回答を避け、「天然資源省で詳細情報を得られるだろう」と述べた。
また、本紙と会見したアルビル県クワイイ区長クールダ・ウマル・アブダッラー氏は、次のように述べた。
「クワイイ地区は石油地帯に位置しており、長らく採掘を行っている8油田がある。我々は、石油の採掘及びその利用について自治区に合法的権利を与えてくれる石油法の成立を期待している。既に(自治区)政府は、それらの油田の掘削事業に関するオファーを出すよういくつかの企業に勧めた経緯があり、ダーホークとスライマーニーヤの二県ではトルコ企業が採掘、精製を行っている。石油問題は、自治区政府とバグダードの連邦政府との間に物議をかもすデリケートな懸案事項のひとつとみなされており、この観点に基づき、一昨日、自治区議会が召集された。アーシュティ・ホーラーミー天然資源相と、同省に関わる案件、自治区内の掘削、石油契約等を協議するためである。」
ホーラーミーは、自治区における石油関連契約の詳細を明らかにした。また、昨日付「ジャーウディール」紙は、原油を積んだタンクローリー多数がハーッジ・イムラーン国境通行所を越えてイランへ行っている旨報じている。
バスラの大規模な石油密輸は、シャトル・アラブ川とイラン国境経由で行われており、これも、マーリキー首相が民兵、非合法グループに対し断固たる軍事的措置を取った理由の一つである。軍事作戦「騎兵隊の襲来」は、バスラで石油密輸の黒幕となっていた武装グループの活動を抑えることに成功した。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:13825 )