イスラエル、シリアがイラン・ハマース・ヒズブッラーと手を切ることを和平締結の条件に
2008年05月23日付 Al-Ahram 紙
■ イスラエル、シリアがイランと距離を置くことを和平協定締結の条件に
■ 米政府はシリア・イスラエル間交渉を消極的に受け止め、「パレスチナとの交渉ルートの代替にはならない」と発言
■ ゴラン高原からの撤退には議員80人の承認が必要だとする法案、イスラエル議会に提出へ
2008年05 月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ダマスカス:アイマン・アル=マフディー、占領下エルサレム:諸通信社】
イスラエルは米政府との合意により、シリアがイランから距離を置くことと、ハマース運動およびヒズブッラーへの支援をやめることを、シリアと和平協定を締結する際の条件と定めた。イスラエルのツィビ・リブニ外相は、イスラエルは隣国と平和的に共存したいと願っているが、シリアは様々な問題を引き起こしているイランとの関係を疎遠にする必要があり、同様にシリアはハマースおよびヒズブッラーへの支援をやめるべきだと語った。フランスのベルナール・クシュネル外相との会談後に発表した声明でリブニ外相は、「シリアとの交渉は長期的かつ困難なものとなるだろう」と付け加えた。
アメリカ合衆国はシリアとイスラエルの交渉開始を消極的に受け止めており、西側外交筋が本紙駐ダマスカス特派員に断言したところでは、シリア・イスラエル交渉におけるトルコの役割はお膳だてと補佐にすぎず、主導的ではないという。また、トルコの高官たちは合衆国の役割が重要であるという見方で合衆国と一致しているが、ジョージ・ブッシュ大統領率いる現アメリカ政権は任期終了が近いことから交渉の先導役として期待することができないため、「シリアはアメリカの役割がイスラエルとの交渉の成功に欠かせないことを認識しているが、それは次期政権になってからのことだろう」と同筋は言う。一方、ワシントンでは米国務長官が、「シリア・イスラエル間交渉ルートがパレスチナ・イスラエル間交渉ルートの代替物となるわけではない」と語った。
(中略)
イスラエル首相は昨日の声明において、「トルコの仲介によるイスラエル・シリア和平交渉の開始は、一年以上にわたったプロセスの締めくくりとして発表された」と述べた。オルメルト政権が対シリア交渉に乗り出したこと対するイスラエル国内の反応としては、メレツ・ヤハド党のザハファ・ガルオン党首が「オルメルト首相がシリアとの交渉を発表したのは、首相に対して今現在行われている汚職捜査から世論の目をそらすための情報戦略にすぎない」との認識を示した。一方、クネセット(イスラエル議会)のエリアフ・ガッバイ議員は、「シリアのゴラン高原からの撤退には80名のクネセット議員の同意が必要だとする法案を提出することにした」と語り、現在までに既に57名の議員の署名を集めたという。
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:13971 )