憲法裁判所が憲法改正を無効に -大学でのスカーフ解禁問題
2008年06月06日付 Yeni Safak 紙

憲法裁判所は、大学でのスカーフ着用解禁に関する憲法改正を無効と判決し、その効力を停止させた。評決は2対9で「無効」とされ、憲法裁判所ハシム・クルチュ裁判長及びサジット・アダル判事が「有効」に票を投じたことが分かっている。その他9人は、「無効」に票を投じた。

大学教育の機会均等をもたらす憲法改正に対し、憲法裁判所は、憲法第2条「世俗主義」、同第148条「憲法裁判所の任務」、及び、同第4条「憲法第1、2、3条は改正不可能であり、改正の発議も行うことができない」という条項に基づき、無効とする判決を下した。本来憲法改正に関して憲法裁判所に与えられているのは、形式に関する審査の権限のみであるが、今回憲法裁判所は、その権限を超えて内容に踏み込んで検討し、無効とする判決を下した。

憲法裁判所の任務及び権限を定める憲法第148条には、その任務として「法律、法律と同等の政令、トルコ大国民議会の内部規定が、形式の点からおよび内容的に憲法に合致しているかを審査する。憲法改正については、形式の観点から審査する」と明記されているにもかかわらず、同裁判所は、憲法改正を形式の観点ではなく内容に踏み込んで審査し、無効とする判決を下した。

また、同じく憲法第148条には「(憲法裁判所の)形式の観点からの審査は、例えば、法律であれば、最終決議が定められた過半数を満たしているか否か、憲法改正であれば、憲法改正の発議及び決議が定められた過半数を満たしているか、また性急な審理をしないという条件を満たしているかどうかに限られる」と明記されているにもかかわらず、今回、最高裁判所はその権限を逸脱した判決を下した。 1982年に憲法が施行されて以来、初めて憲法裁判所は内容的審査により無効とする判決を下した。かくして、82年憲法において、初めてこのような判決が下された。憲法裁判所のスカーフに関する無効判決は書面で公表された。その判決文には、「憲法第2条、同第4条及び同第148条に基づき無効との判決が下された」と記されていた。

■初めて無効とする判決

憲法裁判所は、今回初めて憲法改正を内容的な観点から審査し、無効とする判決を下した。憲法裁判所は5月27日クーデター(1960年)後に制定された1961年憲法に基づき設立されたが、その憲法裁判所に対し1961年憲法は、憲法改正における内容的審査の権限を付与していた。よって、9月12日クーデター(1980年)まで憲法裁判所は、憲法改正を内容的観点から審査し、いくつかの憲法改正に無効とする判決を下した。

9月12日クーデター以降に施行され、現在効力を持っている1982年憲法は、憲法裁判所に憲法改正を内容的な観点からではなく、形式の観点からしか審査できないようにした。1982年から現在に至るまで、憲法裁判所は、憲法改正を形式の観点から審査してきた。憲法裁判所が、大学でのスカーフ着用解禁を目的とする憲法改正を内容的な観点から審査し、無効とする判決を下すのは、現行の82年憲法になって初めてのことである。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:14010 )