【経済部】外務省経済担当次官は、海外の銀行にあるイランの資産構成の変更とアジアの銀行への資産の移動について明らかにし、「政府特別委員会の決定により、イランの外貨資産の一部は金のような実物資産に、また一部は株に変換された」と述べた。
モフセン・タラーイー次官はBORNA通信との会見で、ヨーロッパの銀行からイランの外貨資産を移動させたことに言及し、次のように説明した。「われわれは予測にもとづき、安全性を高めることを目的に、外貨資産の構成を変更することを決定した」。
同次官は、委員会による決定に基づいてイランの外貨資産の一部が金のような実物資産に、また一部が株に変更されたことを明らかにしたうえで、「これらの措置に加え、イランの外貨資産の一部はアジアの銀行に移動された」と語った。
タラーイー次官は、口座が閉鎖されるのを防ぐため、ヨーロッパの銀行にあるイランの外貨資産は最低限維持されるとした上で、次のように付け加えた。「海外の銀行にある外貨準備高は、様々な国との金融取引に最低限必要なだけ維持される」。
同次官は〔ヨーロッパ以外の〕他の諸外国にあるイランの海外資産の構成の変更について言及し、次のように続けた。「現在、日本への原油輸出量は65万~70万バレルであり、円でのみ取引が行われている」。その上で日本には120億ドルの余剰外貨準備があるとして、さらに「イランの石油70万バレルの輸出は全て、昨年の中頃から円のみで行われている」と語った。タラーイー次官によれば、このような措置はイランの外貨資産の保全のためであるとのことである。
彼は次のように述べている。 「もちろん、我々は口座を維持するためだけに、海外の銀行に資産の一部を保持している。そうせずに、これらの外貨を〔完全に〕引き揚げてしまえば、我々は自らに制裁を課すことになってしまうからだ」。
イギリスの新聞各紙もまた、ヨーロッパの銀行からイランの資産を引き揚げるよう命ずるイラン大統領の命令を報じており、このことについてオランダの一部銀行がイランに協力しているという。
専門家はイランのこの措置を、EUがイランの銀行に対して制裁を科す可能があると報じられていることへの反応であると見ている。
この記事の原文はこちら
関連記事(イラン産原油の全取引、円とユーロで実施)
( 翻訳者:佐藤成実 )
( 記事ID:14053 )