クラスター爆弾禁止条約に向けた国際会議にイラクが被災国としてオブザーバー参加
2008年06月07日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ クラスター爆弾の製造・取引禁止のための国際会議にイラクが参加

2008年06月07日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【アルビル:ナーディヤ・ジャッバール】

 先日、アイルランドの首都ダブリンで行われていたクラスター爆弾の使用禁止をめぐる国際会議が閉幕した。会議には122カ国以上が出席し、2週間にわたって行われていた。

 イラクはオブザーバー参加した20カ国中の一国で、ムワッファク・アル=ハファージー氏を代表として会議に送った。ハファージー氏はイラク障害者協会会長であると同時に、〔NGOの連合体である〕「クラスター爆弾連合」の常任理事を務める。

 複数の国際機関メンバーが列席する中、国連の潘基文事務総長のスピーチで会議は幕を開けた。会期中、この件に関するいくつもの勧告や決議が採択されたほか、クラスター爆弾の製造・備蓄・輸送・売買を禁止する国際条約案の採択が合意された。クラスター爆弾は多くの国々に影響を及ぼし、さらなる被害者や障害者を生み出している。イラクは1991年〔第一次湾岸戦争〕以来現在に至るまで、被害が集中している国のひとつである。

 特筆すべきことに、イラク代表団は他の参加国と手を組んで、会議に参加した各国政府代表団が条約受け入れへと立場を変更するよう、圧力を掛けた。国際会議の合間にイラク代表団がイギリスのジョン・ダンカン代表団長と会見し、クラスター爆弾が特に発展途上国に及ぼす影響について説明すると、イラク、アフガニスタン、タジキスタン、パキスタン、エチオピア、カンボジアといった国々の被害者グループと対話するための代表団が組織されたのだ。こうした国々ではこれまでにクラスター爆弾によって多くの人々が被害を受け、手足の切断に至っている。

 イラク代表団長は次のように語った。「条約案の受け入れに関し立場を変更するようイギリスに求めたところ、ジョン・ダンカン氏は最初の会見で、われわれのメッセージをブラウン英首相に届けると約束してくれた。そして実際にこの二日後、我々はダンカン氏に会い、前向きな方向へ立場を転換したとの報告を受けたのだ。クラスター爆弾禁止条約は米国を除く多くの国々によって支持され、強化された。米国は今のところ条約への支持を拒否している」。

 条約は22項目から成り、今年末に開催予定の次回オスロ会議に提出されて、署名・批准を経たのち発効にいたるという。第4条では条約加盟国の犠牲者らへの支援が明記されており、イラク代表団長は会議に参加した加盟諸国に対して「わが国も条約に署名・批准することで、その多くが子ども達である何千人ものクラスター爆弾の犠牲者が社会に完全復帰し、支援国や国際組織からの恩恵を享受するチャンスが得られるよう、努力を後押しして欲しい」と強く訴えた。

 今回ダブリンで採択された条約案は国連本部で公式文書としての承認を受け、国連事務総長に託された。

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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論アラブ・メディア研究 )
( 記事ID:14108 )