司法権報道官、《パーリーズダール》及び《砂糖王》事件について語る
2008年06月18日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】司法権報道官は昨日、昨今社会を騒がせている一部の問題について、記者らとの質疑応答に応じた。

 予想に違わず、昨日の記者会見では「体制関係者に対する誹謗中傷」、「流説の流布」、「虚説の流布」の罪で最近逮捕されたアッバース・パーリーズダールの事件〔※〕をめぐって、質疑応答が行われた。

 本紙記者の報告によると、アリー・レザー・ジャムシーディー報道官はまず最初に、「対司法権国会調査究明委員会」の活動を批判した上で、「ご存知のように、この問題は国会調査究明委員会に端を発するものである」〔※パーリーズダールは「対司法権国会調査究明委員会」の書記を務めていた〕とし、さらに1386年デイ月22日〔2008年1月12日〕に司法権が同委員会に提出した回答書に触れて、次のように述べた。「そこでわれわれが指摘したのは、問題の裏には国の指導者たちの間に混乱を生じさせることを生業とする、経済的に腐敗した者たちがいるということだ。彼らは一部国会議員らをだまして、時に悪意に満ちた、嘘の手紙や話を教唆しているのである」。

 司法権報道官はさらに、次のように付け加えた。「パーリーズダールに対する最初の捜査で判明したのは、彼が《司法権に対する調査究明》を看板に掲げる一部組織の有力者たちと共謀して、機密文書や一部未確認文書、裏付け不可能な市民情報を持ち出し、それを国内各所に隠したということである」。

 ジャムシーディー報道官は、パーリーズダールが〔対司法権国会調査究明委員会の書記としての〕任務に就いていた間、法学博士号を取得したことについて、次のように指摘した。「彼は調査究明委員会の書記であり博士号取得者であるとして、ある女性議員〔※キャラジ選出のファーテメ・アージョルルー議員のこと〕から、全国調査機構に紹介された。しかし彼の学歴を調査した結果、彼は修士号及び博士号をロックヴィルという名の大学から、5日間で取得したことが判明した」。

 司法権報道官はさらに、これまでのところパーリーズダール事件をめぐって、11名に対して逮捕状が出ており、そのうち6名が月曜日までに逮捕され、彼らに対する捜査が続けられていることを明らかにした。「〔‥‥〕これらの人物のうち、一部は政府関係者であった。アッバース・パーリーズダールは体制関係者を貶め、噂を流布させることに、自らの出世の可能性を見ていたようだ」。

 報道官は続けて、パーリーズダールへの支持を表明するために、メッラト公園で非合法集会を開催し、その一部が警察によって逮捕されたならず者たちの状況について、次のように語った。「200名近い人々がこの件で逮捕された。そのうち気質の者たちについては、調査を行った上で、釈放した。その他の前科者たちについては、今後も捜査が続けられる」。

《砂糖王》、ホルダード月末までに刑務所に戻る予定

 司法権報道官はまた、《砂糖王》をめぐる問題についても回答した。

 《砂糖王》ことモハンマド・レザー・Yの名がここ最近再び取り沙汰されているのは、数日前テヘラン選出のエリヤース・ナーデラーン議員が、最も重大な経済事件を起こしたこの人物が90日以上刑務所から一時帰宅が許されていることを問題視したことに端を発している。

 アリー・レザー・ジャムシーディー報道官はこのことについて、次のように述べた。「公金を横領あるいは詐取した人物は禁固刑に服するだけでなく、負債の支払いもしなければならない、というのがわれわれの考えである。そのため、こういった人物は負債金の支払いができるよう、保釈金を支払えば保釈されるようになっているのだ。《砂糖王》についても、複数の銀行が負債の支払いを要求している。彼の保釈はホルダード月末〔6月20日〕までで、それ以降は刑務所に戻る予定だ」。

 アリー・レザー・ジャムシーディー報道官はまた、司法権はこの問題について何度も情報を提供してきたと断った上で、次のように語った。「この問題で、彼は他人の財産の詐取・売却、贈賄協力、文書の偽造協力、及び同行使の4つの罪に問われている。他人の財産の詐取・売却の罪で、彼は禁固22年と140億トマーン〔約16億円〕及び325万ドルの返還、ならびに140億トマーン及び325万ドルの罰金の刑が言い渡されている。贈賄協力の罪では、彼は18ヶ月の禁錮刑に、また文書の偽造協力では6ヶ月の禁錮刑、さらに偽造文書行使の罪では2年の禁錮刑が言い渡されており、合計で禁錮26年が確定している」。

〔後略〕



※訳注:アッバース・パーリーズダールという人物が5月にハメダーン大学で行った講演の中で、一部の高位宗教指導者を「経済的な腐敗」に関わっているとして実名で告発し、また体制関係者が死亡した一部の航空機墜落事故について、国内の権力争いの結果起きた陰謀であると暴露した事件を指す。この講演の様子を収めたビデオが、YouTubeその他で流れたため、体制内の一大スキャンダルとして波紋を呼んだ。講演を主催した学生団体がアフマディーネジャード支持者であったこと、パーリーズダールがアフマディーネジャード支持者の団体から2006年のテヘラン市議会選挙に立候補していたことから、この人物の暴露の裏にアフマディーネジャード大統領の何らかの意図があったのではないかと憶測する向きもある。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14109 )