イギリス、UAEでテロの脅威が高まっていると自国民に警告
2008年06月17日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ イギリスが「テロの脅威度が高まっている」と発表、アル=カーイダを暗に警戒
■ UAEでのテロ攻撃を警告、経済的繁栄への影響に懸念
2008年06月17日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ロンドン:本紙】
数百万人の外国人が居留するアラブ首長国連邦(UAE)でテロ攻撃が行われる危険性が増大し、脅威レベルが高まったとイギリスが発表した。UAE在住イギリス人および旅行者に向けに、イギリス大使館のサイトに先週の土曜日付けで発表された声明で、テロの脅威が高まっていると公表されたのである。
アブダビにあるイギリス大使館の情報筋はフランス通信社に対し、声明が発表される以前の脅威レベルは「一般的」というレベルであったと語ったが、英当局が今回の警告を出す根拠となった情報については明らかにしなかった。同じ情報筋は匿名で、「脅威は一般的なレベルだったのが、今では高まったと我々はみなしている」と語った。考慮に入れるべき要因がいくつか出てきたために脅威レベルが高まり、その現状に対応すべく、イギリス人滞在者及び旅行者に向けたメッセージを修正したのだという。彼によれば状況は常に見直されており、脅威レベルは上昇することも低下することもあるという。
イギリスBBCは、英外務省が国民向けに出している渡航勧告において、外国人が集まる場所での無差別攻撃をテロリストが計画している可能性を警告したと報じたが、以前にも増して今現在、危険が存在しているとする理由について、外務省はなんら詳細を明らかにしなかったと指摘した。BBCの報道によれば、隣国のサウジアラビアとは対照的にUAEでは重大なテロ事件が起きておらず、また英外務省が用いている4段階の危険レベルのうち、「高まっている(high)」という表現は最高度にあたり、「一般的(general)」「潜在的(underlying)」「低い(low)」がそれに続くのだという。
BBCは英外務省渡航勧告課のインターネットサイト上の文言であるとして、「UAEでのテロの脅威が高まっている。テロリストは攻撃を計画しており、住宅密集地や軍の基地、石油プラント、航空管制局や交通機関を狙って、いつ何時でもテロが起こりうる可能性がある。イギリス人渡航者は特に公共の場では最大限の注意と警戒を払いながら行動するように」と伝えた。
在UAEの他の西洋諸国の大使館はいずれも、テロの脅威度について評価を変更した様子はない。またUAE高官もフランス通信社に対し匿名で、この件についてはいかなる情報も持ち合わせておらず、コメントできないと強調したという。
(後略)
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( 翻訳者:齋藤睦美 )
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