スカーフ問題なんてど~でもいい―首相府人権局報告書にみる国民の関心
2008年07月13日付 Radikal 紙
首相府人権局の報告書には様々な問題について非常に多くの苦情が寄せられている。スカーフ問題からの苦情はたった1件が寄せられたのみだった。
優先的に解決される必要のあるひとつの問題と公正発展党が見ている『大学におけるスカーフ』問題は、国民の観点からは優先的な問題ではないことが、首相府人権局作成の報告書で明らかにされた。「服装が原因で教育を受ける権利をはく奪された」という主張は1件のみの申請だった。国民が最も多く苦情を申し立てた事柄は、保健や病人の権利といった分野で起こった侵害である一方、最も苦情を受けた組織の筆頭には自治体が挙がった。
首相府人権局によって今年初めて作成された「2007年トルコ人権報告書」において興味深い分析結果が出された。公正発展党が優先的に解決すべき問題として位置づけているスカーフ問題は国民の側からは同様の優先順位ではないことが明らかとなった。
■「病人の権利」が筆頭に
作成された報告書の2007年権利侵害ランキングでは、「保健および病人の権利に対する侵害」が一位となった。同報告書では、公正発展党政府により保健分野で実施された改革にも関わらず人権局に最も多く苦情が寄せられた原因を、国民の意識向上と結び付け、こう述べられている。
「ここで喜ばしいことは、国民の意識が今や権利に関してますます高い意識水準へと達したことであり、権利を主張する勇気が持たれるようになったこと、そして現代的な基準でサービスを要求することが広まったことである」
国民が最も多く苦情を寄せた事柄の中には、「粗悪な振舞いを受けた」が2位に挙げられる一方で、「所有権」が3位、「環境権」が4位、k「拷問」が11位となった。
首相府の報告書では、「差別禁止を侵害した」という主張が2007年に合計42件よせられた。この差別禁止の侵害の範疇で最も多く苦情が寄せられたのは、「行政業務やサービス実施に関する苦情」だった。所有権に関しては、自治体での公営化関連の手続きを原因とする苦情が2位、労働と契約の権利(雇用)に関する苦情が3位となった。
同報告書では、「服装が原因で教育を受ける権利が奪われたという主張」に関しては、苦情はわずか1件であった。
■自治体への不満
報告書では、国民が最も苦情を行った組織として、自治体が一位となった。報告書では自治体に関する苦情が筆頭に挙がることは驚くことではないと書かれている。国民が苦情を訴える組織の中には、司法組織としては裁判所が2位となった。国民が公正な裁判について最も多くの苦情を寄せたことが述べられた。警察は、報告書で国民が苦情を述べている組織の中で第3位となった。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:14279 )