イラン赤新月社、救済員らを物価統制のために街頭に派遣へ
2008年06月24日付 E'temad-e Melli 紙

【経済部】今後、200万人規模のイラン赤新月社青年団の名誉部隊が、職業組合による商品の不当な値上げを監視する予定である。

 赤新月社青年団団長のマフムード・モザッファルがインターネット・サイト「BORNA」とのやり取りの中で伝えた。

 モザッファル氏は「これら赤新月社の隊員らは目立たない形で、国内のさまざまな職業組合の価格設定や商品販売方法を監視し、その結果を商業省の監視官に報告することになる」と語った。また「赤新月社青年団と商業省による第一回目の会議で、この計画の実行に関する覚書が交わされた。近々赤新月社青年団の名誉監視員のもと、覚書が実行に移されるだろう」。

 赤新月社青年団長はまた次のように表明した。「我らがイスラームの教え、コーランの教えによれば、地震のような出来事が起こる原因のひとつは、売り渋りや不当な値上げ〔などの不道徳な行為に対する神の怒り〕にある。赤新月社による今回の新たな施策により、〔地震など〕その発生を防ぐことができるであろう」。

 赤新月社は、赤十字組織のイスラーム版であり、〔赤十字の〕7原則――人道、公平、中立、独立、自主的な奉仕、単一、世界性――に則り、戦争や予期せぬ出来事の被害者となった人々を支援している。赤新月社の義務・責任を定めた法律では、同組織はイラン・イスラーム共和国にあって、国内外の被害者らに対する支援活動を行うものとされている。

 それゆえ、慈善的なボランティアとして、戦争や水害・地震といった出来事の被害者を支援することだけが認められている人々を、〔価格監視という〕任務に就かせることは違法であり、赤新月社の責務に反している。

 商業省が赤新月社のボランティア部隊の助けを借りた背景には、第9政権が先月〔5月下旬~6月中旬〕、商品およびサービスの価格に対する調査・監視強化のため、4千億リヤール(約47億円)を割り当てたことがある。

〔中略〕

 職業組合の活動を監視し、価格の統制を行うためには、商業省は少なくとも4000人規模の監視員が必要であると予測されている。

 赤新月社の部隊を利用するという商業省のこのような試みには、問題とすべき点がある。まず、同組織のボランティア部隊は、中立・公平の立場から、戦争やその他の予期せぬ出来事による被害者を救援することをその義務としている。そういった事件がおこったときにこそ、この部隊は招集されるべきで、この部隊を規定外の任務に利用することはいかなるものであれ、違法とみなされる。

 第9政権は、全国職業組合評議会と協力・協調して市場の監視義務を負わなければならないはずが、その代わりに監視業務を最小限の費用で済む異端的な方法を見つけることにこだわってばかりいる。たとえその異端的な方法が法に反するものであろうと、お構いなしなのだ。

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( 翻訳者:米沢佳奈 )
( 記事ID:14301 )