イラン・米関係にグリーン・シグナル?:米国務次官、5+1グループの代表メンバーに加わる
2008年07月17日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】ここ数週間イランとアメリカの間で交わされてきた「グリーン・シグナル」が、ついに両国の関係の扉を押し開いた。アメリカ国務省の高官がジュネーヴで開かれる5+1グループとイランの協議に加わることが予定されているのだ。

 イランとアメリカの直接交渉はこれまで、第3者、すなわちイラク問題を中心に行われてきたが、今回アメリカ国務省次官でイラン問題の責任者であるウィリアム・バーンズ次官が、ティール月29日土曜日(7月19日)、スイスで行われる5+1グループとサイード・ジャリーリー国家安全保障最高評議会書記の間の交渉にオブザーバーとして出席する予定だ。

 しかし、イラン・米関係をめぐっては、これがすべてではないことは確かだ。大統領は月曜日(7月14日)の夜、イラン国営放送チャンネル1の放送の中で、近い将来様々な問題について二国間で直接交渉を行うことを発表したのである。

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は、「イラン・イスラーム共和国の積極政策によれば、アメリカでいかなる政権が誕生しようとも、同政権は次の2つの基本政策を優先課題に据えざるを得ない。1つは、アメリカ国外から自身の反対勢力〔=それまで政権から疎外されてきた知識人たち?〕を結集させ、彼らをアメリカの〔政権の?〕内側に取り込むことである」と語った上で、「アメリカの新政権が自らの政策として取り組むべき第2の政策は、イランとの建設的関係の構築である。これは単なる〔裏付けのない〕言葉や分析でなく、確固たる根拠を伴った推論である。我々はこれまで、このことについてのメッセージを数多く受け取ってきた」と付言した。

 同大統領は、アメリカ大統領選挙で票を勝ち取った政党は、いずれの政党であれ、前述の2つの政策を選択せねばならない旨語った上で、「これまで、これに関する数多くのメッセージが我々の元に届いている。近い将来様々な分野でアメリカとの話し合いが行われる可能性がある。アメリカのメディアはこの件について否定的に見せようと考えているかも知れないが、しかし我々としては、このような話し合いは否定的なものではないと明言しよう」と説明した。

 アフマディーネジャード大統領は続けて、「話し合いは政府間のみならず、様々なレベルで行われる可能性がある」と語った。大統領はイランにおけるアメリカ利益代表部の設置について次のように語った。「これまでのところ、アメリカ側はそのような要求を行っていない。しかしもし要求があれば、両国の国民間の関係を肯定的に鑑みた上で検討することになろう。なぜなら、我々は他国の人民がイラン国内に存在すること、またイラン人が他国に行くことを懸念していないからだ。イラン人はどこに行こうとも、平和と友愛のメッセンジャーだからだ」。

米、前提条件を取り下げる

 大統領がイラン・アメリカの二国間交渉実現に関して発表したその直後、ウィリアム・バーンズ米国務次官がイランとの交渉グループのメンバーに加わることが明らかにされた。これに関しワシントン・ポストは、「アメリカの外交当局者らの考えでは、イラン政府との核問題を巡る交渉にアメリカ政府高官を派遣するという行為は、アメリカ政府が同問題を外交的手段により解決したいと考えていることを示すものだ」と報じた。

 同紙によれば、ジョージ・ブッシュ政権〔の国務省〕でナンバー3といわれ、イラン問題の責任者であるウィリアム・バーンズ米国務省第一次官が、ティール月29日にジュネーヴで行われるイランと西側の交渉に出席する予定だ。

 ワシントン・ポストは続けて、匿名を希望する当局者らの発言を引用し、次のように報じている。「バーンズ次官は今回の交渉において、イラン当局者らと別途、個別に会談を行うことはないであろう。ただイランの核問題に関するホワイトハウスの見解に従うのみであろう」。

 同記事によれば、西側外交官らはバーンズ次官の交渉への出席を歓迎しており、これをイランとの交渉にとって前向きな一歩と捉えている。また彼らは、アメリカが自らの(イランとの)交渉の前提としてきたイランの濃縮活動停止を断念したものと考えているという。

〔後略〕

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:14331 )