■ G8サミットの閉会にあたり、石油・食糧価格の高騰やアフリカ支援への取り組みを約束
■ ロシア、アメリカのミサイル防衛への対抗路線を検討
2008年07月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP国際面
【洞爺湖:諸通信社】
日本の洞爺湖におけるG8(主要8ヵ国)首脳会議の閉会にあたり、G8諸国の指導者らは声明を発表し、石油・食糧価格高騰とインフレ増大への対処の必要性で合意した。また産油国と消費国間の対話の後押しを通したいわゆる「石油市場における透明性と均衡の創出」の改善を約束した。
同声明はまた、気候変動現象への対処として、温室効果ガス排出量のさらなる削減を保証すべく、世界レベルで早急な努力を行うと強調したものの、温室効果ガス排出量を2050年までに半減させるといった特定削減量を定めるまでには踏み込まなかった。アフリカに関しては、「G8は2005年のグレンイーグルズ・サミットで決定された開発のための公的援助に関する約束を新たにした」と指摘している。同サミットでは2010年までに年間500億ドルにアフリカへの支援を倍増するが約束が交わされていた。
核開発計画の停止について国連安全保障理事会が採択した複数の決議の遵守をイランが拒否したことに対してG8は、危機の外交的解決を望むと改めて主張したほか、イスラエルとパレスチナに対しては、今年の年末までに和平合意に到達し、ロードマップに従って双方の約束を履行させることを目指した交渉を紛糾させるような行動をとらないよう呼びかけた。
ジョージ・ブッシュ米大統領は、「温暖化現象対策や疫病対策と共に、国際交易についてもサミットは実り多かった」と述べ、ゴードン・ブラウン英首相はG8諸国に対し、アフリカ支援の約束を遵守するよう訴えた。
一方でドミトリー・メドベージェフ露大統領は、「もし米国が東欧へのミサイル迎撃ロケットの配備計画を貫くなら、対抗措置を検討する」と警告し、「ロシアは対抗路線を検討しつつも対話の用意もある」と指摘した。これに対しコンドリーザ・ライス米国務長官は、ミサイル防衛に対するロシアの反応に失望を表明した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:14354 )