ハラチオール教授、「私がいなければアルメニアとの関係は改善されるのか?」 更迭を受けてコメント
2008年07月25日付 Milliyet 紙
ユスフ・ハラチオール教授は、トルコとアルメニアの関係が改善されつつあるこの時期に、トルコ歴史協会(TTK)会長を更迭されることについて、「私がいなければアルメニアとの関係が改善されるというのか?虐殺がなかったという事実が変わるというのか?」と述べた。
更迭されることを、自分も知らなかったと述べるハラチオール教授は、以下のように続けた。
「少しも残念ではない。任務に就けば、いつかは終わりがくる。どうするかは政府の自由である。更迭の理由に関しては、私にも国民にも説明がなかった。政府や理事会とは何の問題もなかった。今まで困ったこともなかった。腹を立ててもいません。政府への憤慨もありません。今本を書いている。休暇から戻ったら、執務室の荷物をまとめて、私は研究に専念する。」
■ビリンジ教授が候補に
ハラチオール教授の後任として、歴史家のアリ・ビリンジの名が囁かれている。2002年から2004年にかけて、キルギス・トルコ・マナス大学で講義経験のあるビリンジ教授は、アブドュラー・ギュル大統領と近しい仲であるとされている。
共和人民党(CHP)主計官のムスタファ・オズユレキ氏は、長い間任務を務めてきた歴史家が更迭されるのはあまり聞こえがよくないと話し、「このような任務に就いている人に対し、普通は『これこれの理由で任務を継続してもらうことができません』と説明し、円満に事を収めるものである。休暇中に突然決定をだすとは、公正発展党(AKP)のぞんざいなやり方である。自尊心を傷つけるものだ」と述べた。
■野党からは反感
ハラチオール教授が、いくつかの発言で物議をかもしたとしても、重要な歴史家であることにかわりないと述べるオズユレキ氏は、「ハラチオール氏は、アルメニア・ディアスポラ(在外アルメニア人)の意見を論破するような重要な活動にゴーサインを出した。この問題が盛んに議論されているこの時期に更迭されることで、ディアスポラ側が勢いを増すことになりうる」と話した。
民族主義者行動党(MHP)トゥンジャ・トスカイ副党首は、更迭の理由公開を求め、「職務怠慢なのか?財政上の問題があったのか?説明してもらおう」と話した。
■更迭ではない
国務省の書面での発表では、「ハラチオール教授の任期は、6ヶ月の延長を終えて、6月末で満期を迎えた。よって、これは『更迭』ということではない」とされた。
この記事の原文:
http://www.milliyet.com.tr/Siyaset/HaberDetay.aspx?aType=HaberDetay&Kategori=siyaset&ArticleID=970883
この記事の原文はこちら(PDF)
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:14360 )