イラク内政:県議会選挙法案を巡る紛糾
2008年07月27日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ 国会議員ら、各派を納得させる合意への道を模索

2008年07月27日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:本紙】

昨日土曜(26日)、タラバーニー大統領とバルザーニー自治区大統領は、県議会選挙法に関する協議を行った。同法は、先週火曜(22日)イラク国会が議決したものの、一日後に共和国大統領とアーディル・アブドゥルマフディ副大統領が棄却したものである。

本日付声明によれば、タラバーニーは、金曜バグダードに到着したバルザーニーを大統領府に迎え、県議会選挙法案の国会可決が憲法違反を構成する事、並びに国内政治治安情勢につき話し合った。

国会内クルド連合派代表サアディ・アル=バルザンジーが述べたように、同派は、県議会選挙法に関する秘密投票を主張して火曜の国会をボイコットしたが、昨日土曜開会された通常国会には出席した。

また、大統領府声明によれば、「タラバーニー・バルザーニー両氏は、イラク国内勢力各派と協議を密に行う必要性について合意した」。


昨日、高位の国会関係者が明らかにしたところによれば、大統領関係機関のメンバー多数が県議会選挙法を「拒否」する原因について、二つの国会委員会が調査を開始し、今後二日間のうちに結果を報告する。

宗教人でもある国会第一副議長、ハーリド・アル=アティーヤは、昨日の国会閉会後フランス通信に対し、「県議会選挙法案は、地方県議会委員会と法律委員会に託され、大統領側の拒否の原因が調査されることとなった」、「この二つの委員会に属していない議員たちも協力し、二日後を期限として国会議長に最終報告をあげることになっている」と述べた。

県議会委員会はハーシム・スルターン、法律委員会はバハー・アル=アアルジーが各々統括する。

タラバーニー大統領とアーディル・アブドゥルマフディ副大統領は、「同法には、国民融和の雰囲気を損ない、政治プロセスを成立させた原則をうやむやにする違憲的事項が含まれているため、棄却することに公式に合意」している。

他方、イラクリスト派議員イッザト・アッシャーバンダルは昨日、県議会選挙法成立の遅れは、「断じて国と政治プロセスの利益とはならない」と述べ、法案に賛成しなかった幾つかの政治勢力の立場を批判した。

シャーバンダル議員の発言は次のとおり。

「我々イラクリストは、同法の遅れがこの国と政治プロセスに決して益しないと信じているので、改めて法案に賛成票を投じるであろう」

「この法案がクルド連合あるいは様々な面で彼らに依拠している(イスラム)最高評議会には好まれないため、再度棄却されるであろうと考えている。また、イラクの長であるべき(タラバーニー)大統領の立場は、クルドの影響力から遠くはないとみる」

「火曜の投票の際に国会内を支配した合意の雰囲気こそがイラクに益するのであり、従って我々はこの合意を政治プロセスの礎とすることを呼びかける」

「残念ながら与党各党は、政権分割理論を信奉し権威を軽んじている。政権の引継ぎという事を考えていない。国家機関を自分達が支配している事を覆い隠すためイメージ美化のみに務めている」

「もし国会内で県議会選挙法案が通れば、それは政治プロセスの成功といえる。通らない場合、イラク国民はしかるべき態度を示すべきであろう」

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:14371 )