ヤズドにある世界一長いカナート、存亡の危機に
2008年07月08日付 Jam-e Jam 紙

【ヤズド】二千年の歴史を誇る世界で最も長いカナートが最近、危険な状態に晒されており、存亡の危機に立たされている。

 全長84キロメートルに及ぶ「ザーレチ」のカナートは、ヤズド州でも最も貴重な観光資源の一つであるが、関係者によると、このカナートには家庭排水が漏れ出ており、崩壊への道を歩んでいるという。

 ヤズド・カナート国際センター局長は記者団に対し、このカナートが直面している今後の運命に対する無関心に警告を発し、「世界で最も長いカナートが存亡の危機に立たされている」と訴えた。同局長は、カナートはイランで最も魅力的な観光資源の一つであるとした上で、「このカナートを建設する際に用いられた技術は、イラン人の才能・能力の高さを示すものだ」と付け加えている。

 ヤズド州は降雨量の少ない沙漠地帯の一つであり、そのためいにしえより、この町の人々は水を確保するためにカナートを掘ってきた。これらのカナートは今日、ヤズド州独特の特徴の一つとされている。この地域には様々なカナートが存在しており、そのおかげで、「バードギール」〔冷たい外気を屋内に取り入れるための煙突状の建築物〕の町として有名なヤズドは、多くの人にとってカナートの町としても知られている。

 ザーレチ郡や同郡の住民は、家庭排水だけでなく、町の病院から出される排水がカナートに漏出していることも、このカナートが危険に晒されている主要な原因だとしている。病院からの排水の漏出によって、一部の病気が蔓延する恐れもあり、保健当局者らは農業関係者がこのカナートの水を使わないよう、対策を講じている。

 カナート職人の一人であるナーイェビー氏によると、カナートの水がよどみ、〔底にたまったドロなどを取り除く〕浚渫作業が行われていないことも、84キロメートルに及ぶこのカナートの寿命を危険に晒す原因となっているという。

 他方、ヤズド市上下水道局代表のモハンマディー氏によればも、ザーレチ病院の排水を処理するための下水網を整備するために必要な経費は、3億トマーン〔約3500万円〕にすぎないという。

 このカナートに忍び寄る危険が取り除かれるのか、それともカナートが崩壊への道を歩み続けるのかは、今後を見守る必要があろう。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14401 )