18人犠牲のコンヤの爆発事件、被害者家族は告訴せず
2008年08月03日付 Hurriyet 紙

バルジュラル地区にあるコーラン学校で18人の命を奪った爆発の後、告訴するものが誰一人現れない一方で、地区の住民は死者らを「殉教者」として考えている。12歳の娘を失ったバルス・セメルジさんは、この事故を「神の意志」と位置づけて、誰にも過失がないとし、以下のように付け加えた。「絶対に、どうか学校について悪いことを書かないでほしい」

コンヤ県タシュケント郡のバルジュラル地区で、無許可のコーラン学校として使用され、8月1日の朝、ガス漏れによる爆発で倒壊したボアズジ私立学生寮の瓦礫の下敷きとなって、17人の幼い学生と学校の先生が亡くなった。彼らの親類縁者も、負傷した29人の中からも誰一人として訴訟を起こす人が現れていない。8月1日の夜、子どもたちを死の旅へと見送ることになった父母らは、事件の責任者について告訴するかどうか問われて、「神の意志であり、私たちは死を信じる。告訴はしない」と答えた。12歳であったレイラ・セメルジの父である陶工のバルシュ・セメルジさんは、娘の死について「神の意志」だと述べ、娘は「殉教者」であると語った。セメルジさんは、「コーラン学校での爆発で、何か過失は見つかりましたか?」との質問には、「ない!決して、学校について悪く書くな。彼らはいつでも私たちを、そして私たちの地区のことを考えている」と言った。

■私たちのバラが枯れた

倒壊した寮の瓦礫の下敷きとなって、娘シェリフェさんが負傷したと語るアフメト・アタイェルさんもまた、「事故は神の意志である。18人の殉教者が出た。私たちのバラは、大きな花をつける前に枯れてしまった。一人の遺体の顔に、自然とひとりでに『アッラーの他に神はなし』という文字が書かれたようにみえた。これは、大きな奇跡である」と述べた。アタイェルさんは、娘に外国語を学ばせるためにあの寮に入れたことを明らかにする一方、「私たちは告訴しない。これは、神の意志であり、アッラーがなされたこと」と語った。町の住民の大部分が亡くなった者たちを『殉教者』とみなしている。爆発から無傷で救出されたコーラン学校の学生のメルヴェ・アブジュさんは、具合が悪くなり、改めて病院に送られた。負傷者の内2人は治療をアンカラで、25人はコンヤで続けている。爆発事故で救出された者たちには、精神面でのサポートがなされることが明らかとなった。

■男子寮に入れなかった

「バルジュラル学校および学生支援協会」に所属し、町で活動していたボアズィチ男子学生寮もまた、8月1日の爆発の後、外部の者には門を閉ざしたままである。寮の関係者は、本紙の記者の立ち入りの申し出に許可を与えなかった。関係者は、「我々の収容人数は100人。しかし、今、約60人のほどの学生がいる」と語るだけであった。この間、寮に入所している男子学生が窓から覗いていたのが印象的であった。スレイマンジュ教団系の男子コーラン学校は夏の間に60人を収容する一方、宗務局のコーラン学校は、調査報告書によれば、30人の学生が参加している。ボアズィチ男子学生寮は、近代的な建物の外観で注目を集める一方、宗務局の学校は、乱雑に置かれたベッドでまるで倉庫のような状態になっている。  

■総責任者イズラーイール(死の天使)

寮の建物の瓦礫の中で見つかった一通の手紙が注目を集めた。ある学生が書いたとされ、「キャンドルよ、祝福あれ」との書き出しで始まる手紙で、機知に富んだ表現で死が語られている。手紙では、「『来世航空』で死出の旅に旅立つこと、『来世航空』の総責任者はイズラーイールである」と書いている。

■夜、埋葬された。

寮の建物が倒壊したことにより亡くなった18人のうち17人は、身元確認が長引いたため、8月1日の夜、涙で死出の旅へと見送られた。最初に、この事故で命を落とした6人の女の子のため、地区で葬儀が執り行われた。コンヤ市の中心部から遅くに地区に到着した4人の学生の遺体もまた、日が暮れた後、自動車のヘッドライトの光に照らされる中、祈りとともに埋葬された。13歳の女の子シェフリナズはまだ見つかっておらず、父ハサン・イブラヒム・アブジュの希望により、夕刻に瓦礫の中であらためて捜索がおこなわれた。瓦礫の中から遺体で見つかった少女は8月2日、埋葬された。

■3人が拘留された

この事故に関連して検挙された、「バルジュラル学校および学生支援協会」のメフメト・G会長、私立ボアズィチ中等教育学生寮のヒュセイン・Ç代表、メフメト・S副代表そして寮を建設した責任者であるとされるムミン・Eらが憲兵本部で聴取された。容疑者らはその後、裁判所に送致された。

ハディム治安裁判所は、18人が死亡し29人が負傷することとなった事件で、過失があったとして、ボアズィチ学生寮ヒュセイン・チョムレッキ代表、メフメト・セメルジ副代表と「バルジュラル学校および学生支援協会」のメフメト・ギョクタシュ会長を逮捕した。

朝4時ごろに逮捕状が出されたのち、ヒュセイン・チョムレック、メフメト・セメルジとメフメト・ギョクタシュは、コンヤE型刑務所に収監された。チョムレック、セムエルジとギョクタシュは、起訴状の準備後、コンヤ重罪裁判所で裁判にかけられる。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:14424 )