次期大統領選挙をめぐる改革派のとまどい(その2)
2008年06月18日付 Jam-e Jam 紙

「次期大統領選挙をめぐる改革派のとまどい(その1)」を読む

 現大統領が立候補者になった場合、選挙戦の舞台はより一層厳しいものになるだろう。そのため、アフマディーネジャード現大統領との戦いを想定して、ハータミー氏は自らの出馬に対する躊躇の度合いをさらに大きなものにさせているのである。現在、モハンマド・レザー・アーレフ氏とモハンマド・アリー・ナジャフィー氏は自身の出馬について、セイエド・モハンマド・ハータミー氏が出馬しない場合に限られるとしている。

 しかしこのような中、ハータミー氏の出馬如何に関わらず、改革派の中から選挙戦に乗り出す可能性のある候補者の存在も取り沙汰されている。

 改革派戦線調整評議会を構成する諸グループの一つである「元国会議員の会」の中央評議会委員のモハンマド・バーゲル・バーゲルネジャード氏は次のように言う。「権力の中心に改革派が復帰するためには、抜きんでた人物の擁立で合意を図る必要がある。アリー・アクバル・モフタシャミープール氏は最も良い選択肢であり、ホルダード月2日戦線の一部の人々やグループは、この問題の検討に当たっている」。彼は記者団とのインタビューの中で、さらに次のように付け加える。「改革派はモフタシャミープール氏のような人物で合意・一致することで、権力の中心において自らの存在感を示すための環境を整えることができる」。

その一方で、「闘う宗教指導者会議」中央評議会委員のモガッダム氏は、記者団とのインタビューで次のように語っている。「第10期大統領選挙においてモフタシャミープール氏が出馬する可能性は今日に至るまで、決して彼の方からも、また闘う宗教指導者会議の方からも話題にあがっていないが、この問題については今後検討することになるだろう」。
 
「闘う宗教指導者会議中央評議会議長のハータミー氏が、第10期大統領選挙の候補者としては最も注目され、かつ優先度の高い人物であり、もしハータミー氏が第10期大統領選挙に出馬するつもりなら、間違いなく闘う宗教指導者会議の推す候補者となろう」と彼は言う。

 「もちろん、もしモフタシャミープール氏が第10期大統領選挙の候補者になる意欲があるのであれば、闘う宗教指導者会議は彼の出馬について間違いなく検討することになるだろう」。

 他方イラン・イスラーム参加戦線の中央評議会委員は、「ハータミー氏の第10期大統領選挙への出馬の可能性が完全になくなるまでは、我々イラン・イスラーム参加戦線が改革派戦線の他の選択肢について考えや決定を下すようなことは、決してない」と話す。

 モスタファー・デラーヤティー氏はさらに、「現在、参加戦線内では次期大統領選に向け、ハータミー氏以外の選択肢は検討されていない。このような中で参加戦線は、彼を第10期大統領選挙での改革派の最優先の候補者として推すために、全力を尽くしている」と付け加えた。

 一方、「建設の奉仕者」党の中央評議会委員であるヘダーヤト・アーガーイー氏は、「モフタシャミープール氏は第10期大統領選挙での建設の奉仕者党の選択肢とはならないだろう」と述べている。

大統領選挙戦における混乱

 他方、イラン国営通信は「改革を主張する急進派の一部政治関係者はすでに、次期選挙に混乱をもたらそうとする戦略を計画している」と報じている。

 「体制に挑戦するために、ホルダード月2日戦線は司法によって有罪判決を受けたことのある前科持ちの人物を大統領選挙の候補者として擁立し、もしこうした人物の立候補資格が拒否された場合には、選挙への参加を拒否するといった方法で脅しをかけるべきだ、などと急進派の政治活動家の一部は明確に提案している。その一方で、ホルダード月2日戦線の穏健派はこれとは異なる見解を示している」。

〔中略〕

 サイード・ハッジャーリヤーン氏は反体制派メディアの歓迎を受けたあるインタビューの中で、アブドッラー・ヌーリー氏を次期大統領に推薦しつつ、以下のように述べている。「大学生やボイコット主義者〔2005年の大統領選挙で投票ボイコットを呼びかけた人々を指す〕らは彼を支持するだろう。もし彼の立候補資格が認められないようであれば、我々は選挙に参加しないと明言しよう。もし彼が選挙戦の舞台に残るようなことになれば、ホルダード月2日戦線の支持者ならびにボイコット主義者全員が〔アブドッラー・ヌーリーへの投票に〕動員されることになるだろう」。

 このような中で、メフディー・キャッルービー氏は次期大統領選挙への出馬に関して早々に議論が行われていることについて、肯定的な評価を下している。

 国民信頼党の総書記は以下のように述べている。「大統領選挙へ向けた活動を開始するには時期尚早な感もあるが、しかし熱気溢れる選挙を実施し、最大限多くの人が来年の選挙に参加するためには、それもいいだろう」。

 メフディー・キャッルービー氏は、すでに一部の人物が大統領選への出馬の用意を発表していることに触れ、次のように語っている。「多くの人がすでに自らの選挙活動を開始しており、またそれ以外の人々も近々選挙戦の舞台に参加することになるだろう。このことは、大統領選挙が熱気溢れるものとなり、競争に満ちた雰囲気が醸成されるのに貢献するはずだ。そうなれば、人々が活気に満ちた姿で選挙に参加する様子を目にすることができるだろう」。

 彼はもちろん、次のような警告も忘れていない。「政治グループ・活動家は、何らかのシナリオが作られ、出来事の背後で流れができあがってしまっているといった疑念を持たれるような行為をしてはならない」。

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( 翻訳者:小野彩 )
( 記事ID:14450 )