イスタンブル、イェニカプの考古学発掘サイトで新石器時代の集住痕跡発見 
2008年08月09日付 Radikal 紙

イスタンブル・マルマライ・プロジェクトの一環で実施されているイェニカプ考古学発掘調査で出土した「麦の穂」は、イスタンブルで約1万年前の「新石器時代」にさかのぼる集住があったという手がかりを示している。

イスタンブル・マルマライ・プロジェクトの一環で実施されているイェニカプ考古学発掘調査で出土した紀元前約6200年から6400年の「新石器時代の集住痕跡」は、考古学界を興奮させ続けている。出土品は、イスタンブルに約1万年前にさかのぼる集住があった手がかりであり、その集住の年代が新石器時代まで遡るという点でかなりの重要性をもつ。

文化観光省、文化遺産・博物館総局から得られた情報によると、発掘現場の第1地区と名付けられた部分で、枝を編みこんだ建築様式の遺構からなる問題の新石器時代の集落で、先日、「完全な麦の穂」が出土した。

イェニカプ考古学発掘調査では、過去にも多くの、ビザンツ時代より古い墓が発見されたことが知られている一方で、問題の「麦の穂」は、新石器時代の集住に関する重要な手がかりであるという点から重要視されている。

■ 1万年前の「完全な」麦の穂!

建築遺構の南側と東側で、考古学的な堆積物が続いているか否かを把握する目的で、ボーリング調査をした文化遺産・博物館総局の調査隊は、古代の海抜6メートルのレベルで、内と外が黒と灰色の、非常に綺麗なつやのある土器の破片と、骨、火付け石の道具が確認されたと述べた。その一方で調査隊は、これらとともに一本の完全な麦の穂も、日の目にさらしたことを明らかにした。

散らばった状態で麦と藁の遺物も見つかった発掘場所では、古代の海抜8メートルの地点で人為的に手の加えられた4つの木片が確認されたことが述べられた。ボーリング調査が進むにつれ、さらに綺麗なつやのある土器片、骨、火付け石と木片が出てきたことが明らかにされた。

総局の当局者は、集団定住生活に入った新石器時代の遺物がイスタンブルの中心部で出土したことは大変重要であると述べ、問題の時代を特定する手がかりとなる麦の穂が一本だけ見つかったことは興味深いと語った。

イスタンブル大学教員で考古学者のオウズ・タヌンドゥ氏は、イスタンブルで1万年前まで遡ることができる集住痕跡は非常に少ないと言い、イスタンブルでマルマライ・プロジェクトの一環で行われたイェニカプ考古学発掘調査で見つかった新石器時代の集住痕跡はこの点から重要であると指摘した。
タヌンドゥ氏は、イスタンブルで最古の集住は、40万年前であることを示すヤルムブルガズ洞窟であり、アーチル、ドゥドゥル、フィキルテペ、イチェレンキョイ、ペンディキ、セリムパシャ墓地、トゥズラでも新石器時代を示すものが発掘されていると述べた。

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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:14466 )