「見栄え」のため、2000人の長距離バス運転手に口ひげ禁止
2008年08月12日付 Hurriyet 紙

ウルソイ・ホールディングが15年前に、ヴァラン・ツーリズムが10年前に適用した「バス運転手に対する口ひげ禁止令」は、800台のバスを有して事業を展開しているメトロ・ツーリズムにおいても始まった。

メトロ・ツーリズムは、組織内の2000人の運転手に対し、「口ひげ禁止」を告げた。メトロ・ツーリズムによるこの禁止令の施行は、コッチ・ホールディング名誉会長ラフミ・コッチ氏の「あごひげや口ひげを生やしている人材は起用しない」という発言へのエルドアン首相の反発を招くこととなった。

長距離旅客輸送会社間の競争は、バス運転手の口ひげ問題を改めて表面化させた。メトロ・ツーリズムは800台のバスにおいて勤務につく約2000人の運転手に「口ひげ禁止」を適用し、業界では先にこれを実施したヴァラン社とウルソイ社に続く三番目の会社となった。バス運転手に対し適用されたこの禁止は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相とコッチ・ホールディング名誉会長ラフミ・コッチ氏の間に「口ひげ・あごひげ」論争をもたらした。ラフミ・コッチ氏による「あごひげや口ひげを生やしている人材は起用しない」という言葉をエルドアン首相は「時代遅れで差別的」として非難した。

■「見栄え」を重視して禁止
メトロ・ツーリズム社長のスィナン・ソロック氏は、自分たちは見栄えを考えて口ひげ禁止を始めたと述べ、「顧客からは口ひげ問題について特にクレームは来ていない。しかし私たちはサービス業界の中にいるのであり、私たちの業績にとってプラスとなり、競争が激しい環境で(他社との)差別化を図るよう努力している」と話した。バス運転手はお客様と常に身近に接しているのですと語るソロック氏は、「私たちはみなさんに最高のそして高品質なサービスをきちんと届けたい。2、3ヶ月前にバス運転手に口ひげ禁止を適用する一方で、今日まで彼らに猶予期間を与えた。このようにして、まずバスの車掌らに適用されていた口ひげ禁止を、運転手にも適用したのだ」と語った。

■軍においても剃らないのですか
メトロ・ツーリズム社長のスィナン・ソロック氏は、仕事の場で、服装、髪、そしてひげがきちんとしていることは大変重要だと強調し、次のように話した。「私たちは800台のバスを有する集団であり、約2000人のバス運転手と7000人の従業員を抱える会社だ。ゆえにここでは1つの基準を設けざるを得ない。従業員からは概して否定的な大きな反発は見られない。一部の運転手は口ひげを剃る代わりに職を離れることを選択した。
もし軍に入ることになっても、髪、口ひげ、あごひげを剃らないのですか?集団においては明確な規律が必要だ。私たちにおいてもこれを適用する必要がある」

■ハッジでもあごひげ禁止
メトロ・ツーリズムの定めた規則は全ての従業員に当てはまることを強調するソロック氏は、「口ひげとあごひげの禁止には『ハッジ(巡礼)に向かう従業員をも含む』としても、何ら問題にはなり得ない。だが、口ひげの禁止は管理職には当てはまらない。この禁止は、直接お客様と接するバスターミナルおよびバスでの業務に就く従業員たちに適用される」と語った。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:14479 )