国会、大統領指名の三閣僚候補を信任
2008年08月06日付 Jam-e Jam 紙


【政治部】大統領が指名した内相、道路運輸相、及び経済財政相の各候補者らの信任を検討する会議が昨日、国会の公開会議場で午前と午後の2回にわたって開かれ、国会の信任によって三省の大臣が決定した。

 国会議員らは昨日午後の部の会議で、賛成票217票、反対票29票、棄権票23票で経済財政相にシャムソッディーン・ホセイニー氏を、賛成票181票、反対票51票、棄権票37票で道路運輸相にハミード・ベフバハーニー氏を、賛成票169票、反対票64票、棄権票36票で内相にアリー・コルダーン氏をそれぞれ信任し、各省の大臣に任命した。こうして、暫くの間代行職によって運営されていた三省のトップ人事が確定した。

 投票前、さらには信任投票が行われる数日前から、大統領が指名した閣僚候補のうちの一人は信任を得られないのではないかとの噂や憶測が流れ、また国会の公開会議ではある候補者の信任に反対する内容の怪文書が出回るといった問題も生じた。国会議長やさらには大統領からは、特に信任投票の際、この問題を強く批判する発言がなされ、マフムード・アフマディーネジャード大統領はアリー・ラーリージャーニー国会議長とモフセニー=エジェイー情報相に対し、このような行為への対処を要望するに至った。

 昨日多くの注目を集めたのは、反対意見の多かったアリー・コルダーン氏の閣僚信任をめぐる議論だった。また、ハミード・ベフバハーニー氏もこのような状況から無縁だったわけではない。その一方で、国会議員の誰からも反対の声が上がらなかったのは、シャムソッディーン・ホセイニー氏であった。同氏は一人の反対者も現れることのないまま壇上に登り、〔大臣としての適任性について〕自らをアピールした。

 ベフバハーニー氏に反対する議員らの多くが行った批判は、彼が引退する年齢にあること、そして過去の革命への貢献をめぐってであった。

 しかしアリー・コルダーン氏に向けられた批判は、ある「問題」に関連したものだった。この問題をめぐって一部の国会議員は、彼の〔大臣としての〕資格を検討するための非公開会議を開くよう、国会議長に要請するに至った。

 しかしアリー・ラーリージャーニー国会議長は、このような会議は必要ないとして非公開会議の開催を阻止、その上で午前と午後の2回に分けて、閣僚候補を信任投票にかけるための会議を開いた。

 アフマディーネジャード大統領は、自身が指名した3名の大臣候補の資格を検討する会議の冒頭で、「政府は国会の協力があってはじめて、国の経済面における構造改革計画に向けて準備を行うことができる」と語った。

 大統領はこの大計画を実施するためには、政府の経済グループを首尾一貫したものにすることが必要だとした上で、このような理由から、経済財政相の任を引き受けるよう、若く精力的で情熱的な専門家であるシャムソッディーン・ホセイニー氏を招聘したのだと強調した。

 アフマディーネジャード大統領は、ホセイニー氏は政権発足以来、極めて快活に、また科学的な視点をもって仕事にかかわってきたと評した上で、以下のように続けた。「彼は職務を任じられたときはいつでも、正確に義務を遂行してきた。我々は、彼が政府に参加することで、経済改革や現在の諸問題が一層真剣に追求されることを願っている」。

〔中略〕

 大統領は続けて、内相代行を務めたセイエド・メフディー・ハーシェミー氏に感謝の意を表明し、さらにアリー・コルダーン氏には内相を務めるだけの資格は十分にあるとした上で、「コルダーン氏は革命前から革命運動の前線に立ち、当初より革命の大義を追求し、様々な責任を果たしてきた」と述べた。

 大統領の演説後、指名された閣僚候補たちに対する賛成議員・反対議員双方が演説を始めた。

〔中略〕

シャムソッディーン・ホセイニー氏に対する反対議員、おらず

 経済財政相候補のシャムソッディーン・ホセイニー氏は、同氏に反対する議員が現れないまま壇上に登り、自身の施政方針について説明を行った。

 経済財政相に指名されたセイエド・シャムソッディーン・ホセイニー氏はその中で、自身の施政方針は国の経済状況に基づいて策定されたものだとアピールした。

 同氏は経済財政省が国会に示す〔経済改革案の〕骨子の一部として、インフレの抑制、銀行制度の改革、税制改革、商業保険の改革と拡大、憲法第44条の実践〔※訳注:民営化のこと〕、国際関係の発展・拡大、ならびに資本市場の発展・拡大などを挙げた。

 同氏はまた、経済財政省が取り組むべき活動として視野に入れているもう一つの柱として、資本市場の発展と深化を挙げた。

「イスラーム的ヴィジョンが見られない」

 テヘラン選出のアリー・モタッハリー議員は道路運輸相候補への反対演説の中で、「大臣たる者にはイスラーム的なヴィジョンが必要だ。しかし大統領が推薦した人物には、そのようなヴィジョンが見られない」と語った。

 同議員は以下のように続けた。「私は、アフマディーネジャード氏はイランで最も優れた大統領であると確信しているが、しかし彼は文化的な問題には関心がないようだ。このような状況は、革命路線を逸脱させかねない。革命とは無縁の人物が〔政権内部に〕浸透するようなことをわれわれが許してしまえば、真の革命の子供たちが脇へと追いやられてしまうだろう」。

指名された閣僚候補には行政の経験がない

 チェナーラーン及びトルゲベ選出のモハンマド・デヘガーン議員もまた、道路運輸相候補のベフバハーニー氏に対する反対演説の中で、「この人物は81年〔西暦2002年〕になるまで行政を担った経験がない。また、引退から数年が経ったような人物を道路運輸相候補として指名することは、若さを強調する政府のスローガンと合致しない」と指摘した。

〔中略〕

コルダーン氏の資格を検討する非公開の会議を要求

 その一方で、コルダーン氏の内相としての資格を検討する前に、テヘラン選出のアフマド・タヴァッコリー及びエリヤース・ナーデラーンの両議員は、国会運営理事会に対して国会運営上の申し入れを行い、その中でアリー・コルダーン氏の資格を検討するための会議を非公開とすることを要求したが、ラーリージャーニー国会議長の反対に遭い、見送られた。

〔中略〕

「コルダーン氏には資格はない」

 多くの申し入れが出された後、最終的にテヘラン選出のアリー・モタッハリー議員が反対者として壇上に登り、「アリー・コルダーン氏には内相の地位に就く資格はない」とかみついた。

 同議員はさらにこう続けた。「内相には父親的な雰囲気がなければならず、また各政治団体〔の動向〕にも精通していなければならない。急進的で党派的な偏りがあってはならない。しかし、コルダーン氏は国益にそぐわぬ政治的なパーソナリティーの持ち主である」。

「誤った道を進んでいるのであれば、それと指摘しなければならない」

 続いてルーホッラー・ホセイニヤーン議員もまた内相候補への反対演説の中で、「我々は甘美な時代の到来に期待して、長年にわたって多大な苦労を味わってきた」と述べた上で、「残念ながら、我々の希望が失望に変わってしばらくになる」と訴えた。

 同議員は「私はアフマディーネジャード大統領の熱烈な支持者の一人でであり、〔同大統領への〕共感から話している」と強調した上で、「私はいまだに、〔大統領を〕支援すべきだと信じているが、しかしもし〔大統領の政策に〕誤った道が存在しているのであれば、それを指摘しなければならない」と語った。

 ホセイニヤーン氏は続けて、「〔アフマディーネジャード大統領に向けて〕あなたがイラン・イスラーム共和国の内相に据えようと望んでいる人物は、あなたの代理として一学校の運営を任せることすらできないような人物だ」とも述べた。

 テヘラン選出のアリーレザー・ザーカーニー議員もまたアリー・コルダーン氏への反対演説の中で、「アリー・コルダーン氏のような人物が内務省の責任者に任じられるようなことがあれば、国家にとって害があるだけだ」と述べた。

〔後略〕

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( 翻訳者:小野彩 )
( 記事ID:14484 )