Ismet Berkan コラム:コーカサスプラットフォームは有用か?
2008年08月21日付 Radikal 紙

グルジアが南オセチアを攻撃し、その後まもなくロシアによって撃退されたことは、事態の引き起こした影響や波紋という点から容易に収束する状況ではない。紛争の開始当初、ロシアがはっきりと名指しで非難した2つの国の内の1つであるトルコは、積極的な外交によって和平の構築に貢献したがっている。もちろんロシアがまず軍事作戦を停止し、続いてオセチアとアブハジアの境界までの撤退を表明すること(しかしいまだに撤退していない)は、国際社会の干渉を要さずに実現した。そのためトルコは何の役割を果たすことができなかった。
紛争のぼっ発当初、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相がロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領、あるいはウラジミール・プーチン首相に電話をかけたが相手側が出なかったこともまた報じられた。エルドアン首相は電話をしたという報道は否定したが、(今回の)危機に際して(解決をもたらす)役割を引き受けたいという意欲は隠さず、1つのアイディアを披露した:コーカサス安全保障・和平プラットフォームである。
その後エルドアンはモスクワを訪れ、このアイディアをメドヴェージェフとプーチンにも伝えた。どうやら彼らは「ノー」とは言わなかったようであり、提案の下準備が整えられることを望み、このプラットフォームが役立つかもしれないとさえ述べた。エルドアンは翌日、失意の中トビリシを訪れ同じ提案を繰り返した。彼ら(=グルジア側)はまるで命を救う非常食であるかのように提案にかじり付いた。
首相は昨日もこの提案を伝えるべく、アゼルバイジャンに赴いた。おそらくアルメニアにも同じ提案が何らかの形で伝えられるだろう。
それではこのプラットフォームとはいかなるものであろうか?どれほど考慮に値するものなのか?
何よりもまず、「プラットフォーム」はコーカサスの5つの国、すなわちロシア、トルコ、グルジア、アゼルバイジャン、そしてアルメニアを同じ土俵の上で対面させようとする1つの「土台」となるだろう。目的は、各国が互いに話し合うことである。
しかし、ご存知のとおりロシア政府は、グルジアのサアカシュヴィリ大統領ともはや話し合いをしないと表明している。アルメニアは今だにアゼルバイジャンの領土の20パーセントを占領下に置いており、もしかしたらロシアが望んでいないからかもしれないが、たとえ両国が時折話し合ったとしても大した結論には達していない。トルコは、アルメニアと国交を有していないが、この国を承認しており、時に話し合いを行っているが、両国の間にも深刻な問題がある。
従って、もしコーカサスプラットフォームが成立するなら、話し合いに資するだけでも有用であるかもしれない。加えてトルコにも得るものがあるかもしれない。
しかしプラットフォームから将来の成功を期待することは、私の考えでは絵空事に終わるだろう。すでに述べたように5カ国が同じテーブルに座って食事をすることさえ今後成功とみなされる。もしこれが実現すれば何も言うことはあるまい...
だが私は残念ながらそれほどの成功さえ期待していない。ロシアがこれから先、自分の裏庭と考えている場所に関し、特にコーカサスと中央アジアに関して他の誰かと話し合うことを期待しないし、話し合ったとしてもそこから意味のある事柄が導きだされることを期待しない。
ロシアは、言ったことを実行してアブハジアとオセチアの独立を承認する決定を下せば、状況はいっそう混乱し、ロシアが「トランス-コーカサス問題」を自分の道以外の道で解決に至らせようとしなくなることは決定的となるだろう。
地域を注視し、結果を出し続けることが有用である。

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( 翻訳者:穐山 昌弘 )
( 記事ID:14559 )