世界遺産タフテ・ソレイマーンでゾロアスター教徒の祝祭
2008年09月02日付 Jam-e Jam 紙
タフテ・ソレイマーン内にある池(撮影:斎藤正道)
【オルーミーイェ:ジャーメ・ジャム記者】わが国のゾロアスター教徒の同胞たちによって「ガーハンバールの儀式」すなわち大地創造の祝祭が、タカーブ〔イラン北西部の町〕の世界遺産「タフテ・ソレイマーン」で開催された。
わが国のゾロアスター教徒たちは、西アゼルバイジャンのタカーブにある世界遺産タフテ・ソレイマーンに集い、この世界遺産でガーハンバールの儀式を行った。
タカーブの世界遺産タフテ・ソレイマーンで行われた大地創造の祝祭では、いろいろな果物を半分に切ってその香りを辺りに漂わせ、椀にミルクとアーヴィーシュ〔植物の名〕を混ぜたものをタフテ・ソレイマーン池の水に流し、さらにアヴェスター〔ゾロアスター教の聖典〕のいくつかの章が読まれた。
「ギャハンバール」、「ガーハーンバール」、もしくは「ガーハンバール」はパフラヴィー語〔サーサーン朝で用いられた言語で、一般に「中期ペルシア語」と呼ばれる〕でガーサーンバールとも呼ばれており、「実を結ぶ時」、「すべて実がなる時」という意味であり、ゾロアスター教徒の季節ごとの祝祭である。
〔※訳注:この語源説明はガーフ=時、バール=実という意味から連想されたものだが、学術的には「ガーフ」はアヴェスターの5つの祈祷文「ガーサー」の中期ペルシア語形で、「バール」が「時」を意味し、「5つのガーサー〔を歌う〕時」というのが語源だといわれている〕
ゾロアスター教徒の信ずるところによると、〔世界の〕創造は6つの段階、すなわち〔6つの〕「ガーハンバール」で行われ、その中の3段階目が大地の創造だったとされる。
〔※訳注:ゾロアスター教では世界の創造は7つの段階で行われたとされ、空、水、大地、植物、有益な動物、人間、そして火の順番とされる。そのうち最後の「火」がイラン暦の正月「ノウルーズ」で祝われ、その他の6つがかつて「ガーハンバール」として祝われたという〕
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( 翻訳者:佐藤成実 )
( 記事ID:14638 )