【ザーヘダーン:ジャーメ・ジャム紙記者】スィースターン・バルーチェスターンの焼き物には6000年に及ぶ長い歴史がある。この焼き物の生産の中心地はサラーヴァーン県に位置するゴルプールガーン地方である。歴史資料によると、紀元前3200年には、焼失した都市ザーボル〔イラン南東部、アフガニスタン国境付近〕の人々は自分たちの水や食事の器を素焼きの陶器で作っており、焼き物を焼くための窯が同市の周辺に点在していたことが分かっている。
「マシュクータグ」という名の粘土の採土場が近いため、サラーヴァーン〔イラン南東部の都市〕から25kmの地点に位置するゴルプールガーン村の焼き物産業は現在も村の多くの人々の生業であり、地域の名高い工芸となっている。
サラーヴァーン地方の優れた焼き物職人の一人、モルヴァーリード・デフヴァーリー氏は、次のように話している。「ゴルプールガーンの女性たちは〔焼き物を〕たくさん作っているにもかかわらず、暮らしは困難に直面しています。人々は〔この地方の焼き物について〕よく知らないので、当然のことながら、この工芸品を買ってくれる人がいないのです」。
スィースターン・バルーチスターン州文化遺産観光局のシャフラキー局長によると、この州の焼き物職人が置かれている状況の整備・改善のために、現在までに4つの協同組合や焼き物工房がサラーヴァーン県及びイーラーンシャフル県に設立されたという。
それによると、〔地域の〕手工業、特に焼き物産業の現状改善のために、文化遺産観光局は、焼き物を焼く窯に用いられる燃料が毎月十分割当られるよう協同組合・焼き物工房と石油製品流通公社とを仲介したり、全国や州の展示会に協同組合や焼き物職人たちが無料で参加することができるよう便宜を図ったり、〔スィースターン・バルーチェスターン州の焼き物産業の〕宣伝を行ったりするなどの方策を講じてきたという。
彼は次のように付け加える。「また、ゴルプールガーン村、さらにはサラーヴァーン県の観光地としての魅力を考えると、娯楽・文化・観光用の施設が無いことも、この工芸品の販売市場の停滞の原因になっている」。
また、若い人材が焼き物作りを好んで習得しようとしないことも、焼き物産業にとってのもう一つの重要な問題となっている。
シャフラキー局長によれば、「現在、ゴルプールガーン村の住民のうち150人以上が焼き物産業に従事しており、焼き物作りを教えている」とのことである。
焼き物産業におけるスィースターン・バルーチェスターン州の歴史を考えると、この州における焼き物産業の復興は欠かせないだろう。
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( 翻訳者:佐藤成実 )
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