移牧生活をおくる子供たち、一ヶ月遅れて学校へ
2008年09月08日付 Zaman 紙

何百万もの子どもたちが、今日(8日)新学期を迎える。夏休みの間ずっと会うことのなかったクラスの友人たちと再会する。列に並んで座り、先生たちと夏休みの思い出を語り合う。しかし移牧民の子どもたちは、この機会を得ることはできない。彼らは友人たちと1カ月後に会うことができる。

半分を移牧、もう半分を定住としながら生活を送る移牧民のスケジュールと、学校教育期間の開校日は重なり合っていない。このため何百人もの子どもたちが、学校に1カ月遅れて登校しなければならない。移牧民たちは、夏は山頂で、冬は環境条件の良い場所で生活する。10月に村に戻るため、子どもたちは開校時に学校に行くことができない。また、男の子のみ教育を受けさせる移牧民たちは、女の子を全く学校に行かせない。

ビトゥリスのギュロイマックやヒザン、ムトゥキといった郡に、家畜を放牧させるためにスィイルトから来たアリカン族に属する移牧民たちは、1カ月後村に帰る。家族と共に移牧しなければならない子どもたちは、夏の間ずっと働きながら厳しい夏休みを過ごしている。テクノロジーと関わりが薄いため、テレビを観ることも、友だちと電話で話すこともできない。同世代の子どもたちのようにゆっくりと休むこともできないため、気力を満たすこともできない。

移牧民の子どもたちが抱えるもう1つ別の問題は、学校に他の子どもたちよりも1カ月遅れて登校することだ。スィイルトのアクヤイラ村初等学校の6年生であるズルキュフ・ギュネッシ君は、その内の一人である。15歳のズルキュフ君は、毎年家族と共に高原に放牧に行くため、学校生活の間ずっと、開校日に登校することができなかった。学校と夏休みにあこがれを募らせるもう一人の子どもは、初等学校5年生になったハルン・チフチ君だ。遅れて学校に行ったため、幾つかの科目を落としてしまったハルン君の一番の願いは、他の子どもたちのように遅れることなく学校に行けることだ。

移牧民たちの男の子たちは、遅れてではあるが学校に行くことができる。しかし、女の子たちは男の子たちのように幸運ではない。移牧生活がもたらす厳しさのために、女の子たちは全く学校に行かせてもらえない。搾乳やテントの掃除、料理、皿洗いといった仕事を女の子たちはこなしている。家事が終わった後、山で家畜を放牧させている牧夫たちに、用意した食事を運ぶ仕事も彼女たちの役目である。

アリイェ・メルトさんは、アリカン族に属する家族たちの多くが、女の子たちを学校に行かせていないと述べている。自身も全く学校に行っていないと述べるメルトさんは、「母と5人の姉妹たちのように、学校の様子をただ遠くから見ることができました」と述べている。5人の子を持つ彼女は、女の子を学校に行かせないことに慣れてしまっていることに注意を喚起する一方、これが環境条件や一族の仕事の役割分担などに起因していることを強調している。

50年間移牧生活をしてきたことを明かすアイスン・ゾルルさん(68歳)も、読み書きを知らないことを告白している。女の子たちの役目は働くことであると述べるゾルルさんは、このように話している。「私たち一族の間では、ただ男の子だけが学ぶことができます。私は全く読み書きができません。女の子たちはただテントで働き、そして結婚させられるのです。」

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:14667 )