ボアズィチ大の学長に反発の声 「抑圧的イメージは学風にふさわしくない」
2008年09月25日付 Zaman 紙

大学の中では自由のシンボルとされているボアズィチ大学で、ファシスト的やり方に反発が起こった。
最も強い反発は同大学の卒業生らが設立した団体から起こった。新しい学長カドリ・オズチャルドゥランの抑圧的態度を「9月12日クーデター」に例えた「ボアズィチ大学学生協会」は、抗議声明を発表した。声明では、「こうしたイメージはボアズィチ大学にはたしてふさわしいだろうか。弾圧的態度のため大学の145年間の伝統と尊厳も壊れてしまった」と述べられた。最初の2日間に取られた抑圧的姿勢に対し、スカーフをした者やしない者らの自由への団結が実を結び、キャンパスでのスカーフ禁止は、昨日(24日)部分的ではあったが緩められた。多くの学生がスカーフを身につけたまま授業へ参加した。

■ボアズィチ大学の自由主義の伝統は壊れてしまった
ボアズィチ大学の学長カドリ・オズチャルドゥランが新学期と共に適用したスカーフ禁止は、昨日部分的ではあったが緩められた。一昨日(23日)「スカーフをして入った場合、すべての法的責任は私が負います」という内容の念書に署名をしたスカーフ着用の学生らは、昨日フードや帽子をかぶることで中へ入ることができた。生徒の何人かはスカーフのまま大学へ入った。オズチャルドゥラン学長のスカーフ禁止の姿勢に大学の諸団体は反発を示した。「ボアズィチ大学同窓会(BÜMED)」のシュクリュ・エルギュン会長は、自由への制限は受け入れられないと述べた。エルギュン会長は人々が大学へ自由に入ることを支持し、同窓会としてはリベラルな立場をとると述べた。エルギン会長は、前学長は自由を支持する姿勢をとっていたので、過去に問題はまったく起こらなかったと説明した。
「ボアズィチ大学学生協会」はインターネットのサイトの「この姿はボアズィチ大学にふさわしいだろうか」という表現で始まる論説で、学長と適用されたスカーフ禁止をボイコットした。協会は、発表した一連の論説の中で「今は21世紀だというのに、ボアズィチ大学は「9月12日クーデター」のファシズムへと戻ってしまった」、「ボアズィチ大学のファシスト的態度はメディアに反映した」、「現在の大学執行部の不手際と弾圧的態度のせいで、大学の145年間の伝統も尊厳も壊れてしまった」とし、大学執行部に抗議した。ボアズィチ大学の学長候補の一人、地球物理学科のイブラヒム・トゥルケリ教授もスカーフ禁止に対し、「大学が自らの組織内で解決すべき問題だ」とした。
この間ボアズィチ大学は、抗議活動が2日間続いたのち昨日は何も行動は起こされなかった。月曜と火曜に男女を問わず参加した学生抗議運動の効果が現れた。一部の学生は午前中に「スカーフをして入った場合、すべての法的責任を負います」という内容の念書に署名をし、中へ入った。しかしそのあとはこうした念書が取られることはなかった。最初の2日間、学校執行部はフードやかつらに関してファシスト的態度を見せたが、昨日こうした方針をあきらめた。生徒のうちの何人かは、スカーフの上にかつらやフードをかぶり中へ入った。しばらくすると、スカーフをした女性が中へ入ることが許可された。しかし、昨日の学校側のこうしたやり方は生徒たちを満足させなかった。生徒のうちの何人かは、この問題が続くとの見方を示している。生徒たちは、未だに好きな格好をして授業へ行くことができないことに触れ、ファシスト的なやり方はボアズィチの伝統に反していると述べた。

■学長は大学の倫理規定を踏みにじった
ボアズィチ大学は、スカーフ禁止により「倫理規定」をも踏みにじった。大学の理事会により2002年に発表された規定では、自由な教育環境を約束している。理事会はインターネットのサイトで、規定を守り確固たるものにすることは、大学の運営と尊厳の観点から有益であると指摘している。ボアズィチ大学の「倫理規定」のうちいくつかは、次の通り。

・人間の権利と自由を尊重する。
・宗教、言語、人種、民族、出自、思想、性別、性的嗜好、年齢、身体障害などによるいかなる差別や偏見も受けず、正当かつ公平に扱われる。
・大学ではすべてのことにおいて自由に議論できる環境をつくる。
・啓発、指導、学習、教育の自由を保護する。
・大学の権限は、学問的自立と自由、そして良き目的の枠組み内で使われ、その責任を最大限に果たす;以上の規定が大学執行部により学内外で守られる。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:14770 )