ライス米国務長官がリビア訪問、カッザーフィー大佐と歴史的会談
2008年09月06日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ アメリカはリビア政府のアル=カーイダとの闘いを賞賛、リビアとの相互協力協定を締結
■ コンドリーザ・ライス長官がカッザーフィー大佐と歴史的会談

2008年09月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【トリポリ、ワシントン:本紙、ロイター、AFP】

 コンドリーザ・ライス米国務長官は、つい最近までアメリカの宿敵であったリビアの指導者ムアンマル・アル=カッザーフィー大佐と会見を行った。

 米国務長官のリビア訪問は[※リビアの独立以来およそ]55年間で初めてとなる。ライス長官は今回の訪問により、ブッシュ政権にとって稀有な外交的成果を実現することや、大量破壊兵器の放棄によって得られる利益を北朝鮮やイランに示すことを望んでいる。

 金曜の夜、トリポリ近郊のマイテガ軍事基地の空港に降り立ったライス長官は、リビア外務省のアフマド・アル=ファイトゥーリー南北アメリカ問題担当官に出迎えられ、直ちにリビアのアブドゥッラフマーン・シャルガム外相との協議を開始した。その後ラマダンのイフタール[※断食明けの食事]の宴でリビアの指導者カッザーフィー大佐と同席した。

 かつてカッザーフィー大佐はライス長官に対する感嘆の念を表したことがある。テレビ局「アル=ジャズィーラ」のインタビューで、「アフリカ系黒人のあの親愛なる人物を応援している。…彼女は男性をも従え、アラブの指導者らには命令を下し、アラブ諸国外相に指先で指示を出し、事務総長クラスにも遠慮なく発言する。つまり、彼女に好感を持ち、評価しているし、アフリカ系の黒人女性ゆえに誇らしく感じてもいる」と語っている。

 ライス長官はリビア外相とイラク、パレスチナ、レバノンの情勢など国際問題のほか、イラン核問題や両国の二国間関係について話し合った。

 リビア通信社によれば、双方はいくつかの重要な国際的問題について議論を行った。イラク、パレスチナ、米・シリア関係、レバノン情勢、中東地域の動向、米・イラン関係の緊張、この緊張を打開する方策の重要性、などである。

 また、ライス長官はリビア訪問の重要性を強調し、「歴史的価値をもち、歴史と人類の文明に王権してきたリビアを訪問したいと数年来思ってきた」と述べた。

 これを受けてシャルガム外相は、政治の領域における両国関係の改善に双方が満足していることを表明した。

 またシャルガム外相は、「二国間関係の発展への切望と情熱を」ライス長官が表明したこと、全ての分野においてこの関係を発展させるための双方向の協力体制が整うであろうこと、「両者の間で」深い政治的コミュニケーションと対話が行われていくであろうことを指摘した。さらに、「両国は現在、アフリカにおける安定、成長、和解や、チャドとスーダンの関係、サヘル・サハラ諸国共同体での平和の確立に関するリビアの指導者ムアンマル・カッザーフィー大佐の取り組みなど、共通の関心事である多くの問題について継続的な対話の最中である」と説明した。

 「CEN-SAD」の略称で知られるサヘル・サハラ諸国共同体には、チャドとスーダンを含むアラブ・アフリカの28カ国が加盟している。

 シャルガム外相によれば会議では、様々な分野、特に石油分野における双方の経済協力の規模が発展を遂げたことや、教育分野での協力も大きく発展し、現在は数千人のリビア人学生がアメリカで勉強していることなども取り上げられた。

 リビアの消息筋によれば、会議では、安定と治安は成長、発展、各国の協力の根本であるとの見解に基づく国際的な対テロ共同対策についても取り上げられたという。

(後略)

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:14778 )