最後のオスマン帝国スルタンの写真が初等学校に飾られると・・
2008年09月28日付 Hurriyet 紙

アタテュルクが「売国奴」として位置づけたオスマン帝国最後のスルタンであるワヒデッティンの写真が、ブルドゥル県チャブドュル郡のデンゲレ初等学校に「トルコの偉人」として掲げられていた。ブルドュル県国民教育長レジェプ・イート氏は、「知らなかった。必要な措置を取る」と述べた。

オスマン帝国最後のスルタンであり、独立戦争開始後にハリントン・イスタンブル占領軍総司令官に頼み込んで、イギリス戦艦で逃亡したワヒデッティン(メフメト6世)の写真が、ブルドゥル県チャブドュル郡のデンゲレ初等学校に「トルコの偉人」として掲げられていた。

問題のスルタンの写真は、教職員組合ブルドゥル支部のハサン・ジェンギズ支部長と労働組合指導部が学校訪問の際、偶然見つけられた。ジェンギズ支部長と同行者は、労働組合の活動のために訪問したデンゲレ初等学校の壁に、トルコの偉人の写真と彼らの略歴が掲げられており、その中にワヒデッティンのものがあったことに気付いた。

■責任者は職務全うを

ジェンギズ支部長は、教育機関では誰の写真を掲げるかは指導により明白とし、「誰かの個人的な意向により写真を学校の壁に掲げてはならない」と語り、以下のように話した。

「大演説でアタテュルクは、ワヒデッティンを『品を欠き、下劣で売国奴』と位置づけた。特に、1922年11月のトルコ大国民議会(TBMM)で、ワヒデッティンは裏切り者であるとの決議があり、ワヒデッティンを英雄視するにはある目的がある。これをいまだにわかっていない。アタテュルクの成功に影を落とし、貶めることなのだ。長年アブデュルハミッド(2世)を賞賛して、次にワヒデッティンへと続いた。デンゲレ小学校で起きたこの事件に、あらゆる市民社会的組織が反発するよう呼びかけている。責任者も関係者に必要な措置を取るよう求めている。」

■同じような学校は多い

トルコ大国民議会教育委員会の元メンバーのムスタファ・ガザルジュ氏は、事件が例外的なものではなく、多くの学校でこれと似た事件が起きていると指摘した。そして学校にワヒデッティンの写真を掲げることは、公正発展党(AKP)政権が醸成した環境の結果であるとして、以下のように話した。

「学校での人事、教科書と資料の内容の変更、国民教育の原則から離れることなどが、これらの事件を生み出した。ある学校では一隅(に掲示したもの)で、ある学校においてはインターネットのサイトでワヒデッティンを褒め称えている。そのうえ、革命史の書籍の内容を変えてこういうことをおこなっている。すなわち、魚は頭から腐るのだ(悪事は責任ある地位にある者から始まる)。」

■必要なことを行う。

ブルドュル県国民教育長レジェプ・イート氏は、事件に関係する情報を得ていないことを明らかにし、「学校で調査を行う。法に照らして必要なことを行う」と述べた。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:14793 )