アリー・コルダーン内相、偽「オックスフォード大学名誉博士号」について釈明
2008年09月30日付 Iran 紙

【政治部】大統領は、コルダーン内相の学歴証書をめぐる調査に関して内相自らが提出した報告書を、国会議長ならびに司法権長に送付した。

 イラン紙政治部担当記者が伝えたところによると、アリー・コルダーン内相は土曜日、大統領に宛てた書簡の中で、自らの学歴証書が捏造されたものであることを知り、直ちに自称「オックスフォード大学テヘラン代表」の人物を告訴する手続きを取ったことを明らかにした。

 アフマディーネジャード大統領はコルダーン内相の書簡に添え書きする形で、国会議員らへの情報提供を目的に、内相の報告書のコピーを国会議長に送付するよう指示した。また同大統領は、違反行為を犯した人物を法的に訴追し、同様の事件の再発を防止する観点から、報告書コピーを司法権長にも送付するよう命じた。

 事件の調査の過程を報告した大統領宛のコルダーン内相の書簡には、次のようにある。
尊敬すべき国会議員らによる小生に対する大臣信任投票は、自由な雰囲気の中賛否両論が表明され、様々なテーマが提起されましたが、その過程で小生の名誉博士号に関する疑義が持ち上がりました。この名誉博士号は8年前、私の行政における経歴や経験に照らし、またオックスフォード大学英語問題代表事務所をテヘランに設立したとされる人物を介して、ロンドンにある同大学宛に論文を提出したことで、私に授与されたものです。

 内相は「この8年間、上述の学歴証書の真偽に関して、疑問が私の意識にのぼることは一度もありませんでしたし、それゆえ同証書が本物であると完全に信じ切っていました」と強調した上で、次のように付け加えている。
これまでこの証書を必要とする機会もなかったこともあり、特に疑問を持つことなく、信任投票の際に同証書を提出いたしました。ところが、一部から同証書に対する疑義が提出されたことで、証書の真偽についてなるべく多くの証拠書類を提出するべきだと考えるようになりました。

 同書簡は続けて、次のように記している。
これは、私自身にとってこの証書が重要だからではなく、むしろ一部から小生に向けられた「偽物」との嫌疑を晴らすためでした。この嫌疑は、小生にとって極めて重いものでした。そこで、大統領もご存知のように、証書をどのように取得したのか再度点検することに致しました。

 コルダーン内相はこの問題に関して自ら行った調査について、次のように語っている。
そのようなことから、私は名誉博士号を仲介した人物に対し、オックスフォード大学に連絡を取り、学歴証書が本物であることを証明する証拠書類を収集するよう求めました。この人物は私に対して再度、同証書が本物であることを請け合い、イギリスにいる弁護士を通じて調査するとしました。そしてこの人物は、同弁護士の法的信用力を示しつつ、証書が本物であるとの同弁護士の証明書を当方に送付してきました。

 同内相はさらに次のように続けている。
この時点までに、私はこれまで以上に証書が本物であることを確信するようになり、大統領閣下にその旨を再度ご報告いたしました。しかしさらに完全な確信を個人的に得るためには、大学から直接証明書を取り寄せることが必要であると考え、代理人をオックスフォード大学に派遣し、証明書を発行してもらおうとしました。

 コルダーン内相は書簡の中で、「当方の代理人が大学に照会したところ、なんと信じられないことに、名誉博士号の証書は真正なものであるとは認められないとの回答に遭遇したのです」とし、「そこで私は、くだんの仲介人に問題の詳細を問い質そうと努力しました。しかしいくらがんばっても、この人物と連絡を取ることはできませんでした。私は彼が法を犯したのだということを、このとき悟りました」と記している。

 内相はさらに大統領に宛てた書簡の中で、「このことから、私は87年6月24日〔2008年9月14日〕付の書簡第20/12180/87号の中で、テヘラン一般・革命検察庁に対し同人を刑事告訴し、同人に対する捜査を求めました。現在、本件は司法によって捜査中です」としている。

 内相はまた、報告の中で次のように強調している。
すべての愛しい人々、就中小生に真実を明らかにするべく調査をするようインセンティヴを与えてくださった大統領閣下に対し、心より重ねて感謝しなければなりません。そして、信任投票後に行われた調査から、当方はイラン国営放送等で奉職していた期間、この〔偽の〕名誉博士号を用いていかなる金銭的利益も得ていないということは明らかであるということを、明言いたしたく思います。

 同書簡は最後に、次のように記している。
当然、小生は貴大統領ならびに国会の温かいご信頼に感謝すると同時に、さらなる意気込みをもって、革命と神聖なるイラン・イスラーム共和国体制の高邁な理想に奉じる所存であり、親愛なる国家と人民に自らのすべての努力を捧げる覚悟であります。

2ヶ月間にわたる騒動

 大統領は2ヶ月前、当時内相代行を務めていたセイエド・メフディー・ハーシェミーでは国会の信任に必要な票は獲得できないとの一部意見を受け、モルダード月8日〔7月29日〕アリー・コルダーンを内務大臣候補に選び、国会に提示した。結果、同氏はモルダード月15日〔8月5日〕、紛糾の末、賛成169票、反対64票、棄権36票で内相として国会の信任を得ることに成功した。

 こうして選ばれたにも拘わらず、賛成・反対両派の一部議員から、同氏の学歴証書をめぐって相変わらず議論が持ち上がっていた。国会議長もモルダード月21日〔8月11日〕国会教育・研究委員長に対する指示の中で、アリー・コルダーン内相の学歴証書が本物であるかどうかを調査するよう同委員会に求めるに至った。

 このような中、大統領はシャフリーヴァル月6日〔8月27日〕、ザーヘディー科学技術相に対して一部高官らの学歴を点検するよう命じ、特に1364年〔1985/6年〕以降の彼らの学歴の詳細やその取得方法、国内外での奨学金授受の有無〔‥‥〕について包括的に調査するよう求めている。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14808 )