カスピ海のチョウザメ漁獲量、激減
2008年09月25日付 Iran 紙

【地方部】カスピ海でのチョウザメの漁獲量は毎年、前年比で激減している。

 ギーラーン州チョウザメ局のエスハーグ・シャアバーニー局長はファールス通信に対し、「チョウザメ漁を15年前と比べれば、チョウザメ類の漁獲量が激減していることに気付くはずだ」と語った。

 同氏は、チョウザメそのものの減少にその最大の原因があるとして、次のように述べた。「漁獲量減少の最大の原因は、イラン、アゼルバイジャン、ロシア、キルギスタン、及びトルクメニスタンといったカスピ海沿岸諸国での密漁にある。このことが漁獲量の減少傾向に相当の影響を与えており、問題の解決へ向け各国はより効果的な対策を検討すべきだ」。

 同氏はまた、カスピ海でのチョウザメ漁獲量減少のもう一つの原因として、天然繁殖するチョウザメがいなくなってしまったこと、及び水揚げされる量に比べて人工繁殖数が十分ではないことを挙げている。

 チョウザメ類の90%はカスピ海に生息している。カスピ海には、大チョウザメ(ベルーガ)、ロシア・チョウザメ、シップ・スタージョン〔※原文では「シック」とあったが、「シップ」の間違いであると判断した〕、ペルシア・チョウザメ、及びホシ・チョウザメの五種類が生息しているが、そのいずれも絶滅の危機に瀕している。大チョウザメはチョウザメ類の中では最高級品であり、またペルシア・チョウザメはイラン産であること〔「名前に《ペルシア》とイランを連想させる名前がついていること」という意味か?〕で有名だ。

 シャアバーニー局長はカスピ海でのチョウザメ漁の方法について、「ギーラーン州では、21の漁場で80隻がチョウザメ漁を行っており、300名が漁に従事している」と述べる。「カスピ海での漁業は契約業者8社によって、四季を通じて行われている」。

 ギーラーン産キャビアの輸出量について、同氏は「同州から輸出されるキャビアは極めて限られており、ほとんどは国内消費向けに回されている。キャビアの直販店がアンザリーやラシュトにあり、輸出資格を有した業者に対して、法的・行政上の手続きを経た上で、仲介業許可を与えている」という。〔※ここの「キャビア」は「チョウザメの魚肉」のことか?〕

 同氏はまた、「チョウザメ漁は水深30~40メートル以下のところで行われている。というのも、チョウザメがキャビアをもっている場合は、水深の深いところへはあまり行かずに岸の方へとやってくるからだ」と指摘している。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14815 )