ヨーロッパが出した廃棄物、ドナウ川経由でマルマラ海へ
2008年10月02日付 Radikal 紙

ヨーロッパが出した廃棄物、ドナウ川経由でマルマラ海へ
イスタンブル市民にとって悪い知らせだ。ヨーロッパの家庭ごみや産業廃棄物がドナウ河から黒海へ入り、イスタンブルのボスフォラスを通ってマルマラ海へと流れてきていることがわかった。

チャナッカレ3月18日大学(COMU)水産学部教養学科の教員であるムハンメット・チュルクオール助教授がアナトリア通信記者に語った話では、ボスフォラス海峡一帯の汚れの多くが中央ヨーロッパからの産業廃棄物や家庭ごみによるものだという。

チュルクオール助教授によると、ドナウ河に沿って並ぶ中央ヨーロッパの中心都市がEUに加盟する前、環境汚染をもたらす廃水をそのままドナウ河に捨てており、それが黒海にそそぎボスフォラスを通りマルマラ海に運ばれてきているという。これらの汚水がマルマラ海一帯のイスタンブル、イズミル、ブルサなどの中心都市から出る家庭・産業廃棄物と混ざり海の汚染をよりひどくしている。

チュルクオール氏は、廃棄物がマルマラ海の上部潮流に乗ってチャナッカレ(ダーダネルス)海峡へ運ばれ、そこから北エーゲ海沿岸まで流れていくと述べ、こう話している。「トルコの海峡一帯の汚染度合いが高いのに加え、もともとの海流のために汚物が常に運ばれる仕組みになっている」と話す。

また、マルマラ海は他の海と比べて自浄作用が高いことを指摘しながら「様々な要因によって運ばれてくる汚物を減らすことができれば、マルマラ海はその海流の効果で表面の水は6〜7ヶ月、深海部は6〜7年で浄化される。マルマラ海の深いところでいまだに漁業ができるのは、エーゲ海からチャナッカレ海峡へ、チャナッカレからマルマラへと流れる海流のおかげ。」

この環境汚染については、船の運行が増加していることの一方で、海上事故にもつながる廃棄物が重要な要素となっていると述べるチュルクオール氏は、下記のように話した。「船は本来、汚水や廃棄物を法律で定められた一定の港で捨てることになっている。しかし船会社はコストを下げるため、汚水を汚物が溢れ捨ててもそうとわかりにくい、海水がにごったマルマラ海のようなところで処理しようとする。そのためにその水域での汚染のレベルが非常に高くなっている。」

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:14822 )