宗務庁から新法判断―イスラムで女性の「握手」は禁止ではありません
2008年10月05日付 Radikal 紙

宗務庁は、女性の握手を禁じるコーランの一節、あるいはハディースはないと強調した。しかしながら握手をしない女性たちにも敬意が払われることを求めた。

宗務庁から発表された教義問答書によれば、女性が男性と握手することを禁じるコーランの一節、またはハディースは一切存在しない。同庁は預言者ムハンマドが女性と握手しなかったことについては「アラブ人にこのような慣習がないため」と説明している。
また宗務庁は、女性と男性の握手が、伝統や礼儀作法のほか、宗教における決まりという視点から別々に扱われるべきであることに注意を引き、この問題を明快にする際、まずは握手をしない女性たちに敬意が払われることを求めた。

「社会、あるいは特定の層の文化や伝統においてこのような握手の習慣がない場合、女男間の握手が女性のプライバシー、不可侵という観点から歓迎されなかったり、また男性が嫉妬する理由になることがある。もしそうなるのであれば、この握手をしないという姿勢を少なくとも人権として認め、このような慎みに敬意を払う必要がある。これは、この問題の伝統や文化といった次元でのことである。このため、女性が手を差し伸べないかぎり、握手をするために男性は女性に手を差し伸べないこと、そして既成事実が作られないようにすること、女性に握手を強要しないこと、一方、女性が握手のために男性に手を差し伸べた場合には握手することがほとんどすべての文化で広く知れ渡った礼儀作法ある」

宗務庁は教義問答書で、「女性と男性の握手を禁じるコーランの一節は存在しないと同様に、預言者ムハンマドのこの問題についての如何なる言葉もない」と記し、見解を以下のように続けた。

「女性たちが預言者に対し信仰の誓いを行った際に、預言者が彼女たちと握手しなかったことは、その社会では女性と握手をする習慣が存在しなかったからだ。預言者ムハンマドが女性との握手を宗教上許されることと見ていなかったということではなく、女性たちと信仰の誓いをする際に、その社会の文化に適したかたちをとったと理解されなければならない。このため、類似した伝え聞きからはっきりとした禁止の決定を出すことは正しいことではない。しかし当時は女性と男性が握手するような習慣がなかったことが知られている」

『握手が不貞行為を導くか否か』に感心を抱く人々に向けては、宗務庁は以下のような回答を出した。

「広く認められているイスラーム法によれば、宗教的禁忌に導かれていく行為も禁忌である。握手における宗教上の罪悪・禁忌の決定には、この規定が適用される。男女間の握手によって実現した接触が不貞行為につながると見る者は、男女間の握手は禁忌であると結論づける。この握手が不貞行為につながる可能性が少なくなれば、禁忌ではなく、不快なものに格下げされる。この延長線上で、もし握手が完全に不貞につながっていかないと判断されれば、その時は握手は許されたものである、といえる」

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:14838 )