ハーメネイー最高指導者「西洋の偽りのバブルははじけた」
2008年10月14日付 E'temad-e Melli 紙

アーヤトッラー・ハーメネイー・イスラーム革命最高指導者は月曜日、全国の金曜礼拝導師らと面会し、イラン国民が〔革命の〕理想と原理を堅持し続けていることに触れた上で、イスラーム革命永続の秘訣は〔国民が〕堅持=抵抗の精神を護持・強化していることにあるとして、次のように力説した。「マルクス主義が瓦解し、西洋リベラル・デモクラシーが断末魔の叫びを上げている中、イスラーム運動は日に日に拡大を続けている。イスラーム革命はこの偉大なる思想の動力源として、自らがもつ進歩と抵抗という要素をこれまで以上に強化する必要がある」。

 イラン学生通信の報道によると、イスラーム革命最高指導者はイスラーム、革命、そしてイマーム・ホメイニーに対してイラン国民が示している忠誠(バイア)に言及して、「イラン国民はその全存在をかけて、自らの忠誠を堅持してきた。その結果が、神の約束の実現、すなわちイランにおける宗教的主権の確立であった」と語った。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは10年間に及ぶイマーム・ホメイニーの指導と同師の鋼のように固い信念と決意こそ、国民の堅持=抵抗の源であるとした上で、「忠誠を守り通していることに対して、これまでと同様、必ずや神の助けが〔イラン国民に〕もたらされるだろう」と述べた。

 同師は、マルクス主義とリベラル・デモクラシーという二つの大思想が支配している中でイスラーム革命が勝利を収めたことは、通常の分析や物質的な計算を超える出来事であったとした上で、次のように指摘した。「イスラーム革命の勝利という祝福を受けながら、困難な状況の中で始まったイスラーム運動は、様々な陰謀や逆風にもかかわらず、抵抗と神の助けのお陰で、日に日にその力を増してきた。その一方で、いまやマルクス主義は見る影もなく、リベラル・デモクラシーも政治的・経済的・軍事的壮麗さを誇りながらも、世界の人々の前で失態を演じている」。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「イスラーム革命には、その思想に基づいて現世の諸問題に処方箋を提示してきたマルクス主義と西洋リベラル・デモクラシーという、二つの大いなるイデオロギー的ライバルがいた」と指摘し、マルクス主義の失態とその瓦解に触れた上で、次のように語った。「マルクス主義は独自の主張・スローガンを有していたが、それらは徐々に色褪せ、ついには形ばかりとなって、蜘蛛の糸のように短時間のうちに崩壊・消滅した」。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「マルクス主義の崩壊によって、西洋リベラル・デモクラシーは世界を一極支配し、傍若無人に自らの政策を推し進めようという誘惑に駆られた。全世界は自らのものだと考えたのである」と論じた上で、西洋リベラル・デモクラシーが現在陥っている状況について、「西洋リベラル・デモクラシーの『人権』、『民主主義』といった偽りの政治的主張・スローガンは、グアンタナモやアブー・グレイブ、イラク攻撃、アフガニスタン攻撃、その他各地への空爆によって、その正体を暴かれた。現在も、『マネーの支配』という偽りのバブルが西洋世界ではじけ飛び、その叫び声は天にまで轟いている」と喝破した。

 アーヤトッラー・ハーメネイーは、現在西洋世界が抱える諸問題は西洋リベラル・デモクラシーの経済的主張が内包している問題を示すものだとし、西洋の専門家らもリベラル・デモクラシーの経済的手法の失敗を認めていると指摘した上で、「いまや、西洋世界の偽りのマネー・バブルははじけた。その叫び声は天にまで轟き、彼ら自身、アメリカの絶対的支配の時代は終焉を迎えたと言っている」と語った。

 ハーメネイー最高指導者はその上で、この問題は重大かつ検討を要するものだとして、「このような状況だからこそ、イスラーム運動の動力源としてのイスラーム革命の発生とその持続の主な要因、すなわち神への信仰、未来への希望、そして勤労精神をこれまで以上に強化しなければならない」と強調した。

 ハーメネイー最高指導者は、人民との接点を保つ金曜礼拝導師には、社会に良き文化を創造し、イスラーム文化を普及せしめるという役割があると指摘した上で、「人民、特に若者たちの間に未来への希望を強化することは、大衆文化で最も必要とされていることの一つである。金曜礼拝導師はこの分野に、大きな影響力を有している」と檄を飛ばした。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:14932 )