パリのオスマン人:オスマン銀行博物館の展覧会
2008年10月20日付 Yeni Safak 紙

19世紀のパリに生きたオスマン人たちの生活をテーマとし、1908年に宣言された第二次立憲政100周年を記念して催された展覧会「パリのオスマン人」が、オスマン銀行博物館展示室で開かれた。歴史家として著名なエドヘム・エルデム氏がフランソワ・ジョルジョン氏と共同で考案したアイディアに基づいて準備、責任監修した展覧会「パリのオスマン人」は、革命の土台をつくった文化的、観念的な文脈を研究したいという思いで、パリに流浪したオスマン人たちのライフスタイルを提示し、新しい見解への素地固めをしている。

■100周年の意義を議論
展覧会を責任監修したエドヘム・エルデム氏は、1908年という年を説明する代わりに、その革命に達するまでの過程に重点を置いたと述べている。エルデム氏は革命の100周年を記念する活動は議論されるべき問題だと話し、実際のところ、1908年は始まりではなく、終わりであったと主張する。
「1908年革命は興味深いものである可能性があります。しかし、その後起きた事件や混乱状況に目を向けると、パリで芽を出した思想が育っていないことに気付きます。このため、第二次立憲政に向かう過程が起こっていたパリを説明することにしたのです」

■青年トルコ人を迎え入れた都市
オスマン人たちのパリでの生活を、視覚資料、写真、そして史料の複製で説明されている展示会でエルデム氏は、主題をオブジェと関連づける代わりに、動きのある見方に重きを置いたと説明している。その時代の多くのオスマン思想家たちの活動的な政治運動は、フランス政府の注意を引いていた。特に青年トルコ人の行動を逐一、注視したパリ警察の当時の記録は、展覧会で展示されている原典史料のうちのひとつである。パリの著名人たちが住んでいた地区を示す巨大地図も、この展覧会で注意を引く見所となっている。どこに住んでいたのか興味を持ったオスマン思想家の名前が書いてあるボタンを押せば、地図上に居住地を見ることが出来る。パリのメトロに着想を得て、この興味深い装置を考案したというエルデム氏は、当時のパリの情熱を目で見える形に表現したと述べる。この展覧会は、「青年トルコ人のパリ」という題の45分間のドキュメンタリーも見ることができ、2008年12月31日まで観覧可能である。

■オスマン人、パリに熱狂
エルデム氏は、19世紀のオスマン人たちはまるでパリ・ブームを起こしていたようだと説明し、留学のため渡仏した若者たちを宙に浮かせ、彼らを建築や文化でもって魅了し、堕落した生活で彼らを恐れさせたパリに焦点を絞ることの重要性を強調している。ヤフヤ・ケマルがパリから父へ送った葉書に書かれた文面には、パリに対する憧れの深さが映し出されている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:14945 )