テヘラン金曜礼拝導師「経済危機は超大国アメリカの終わりの始まり」
2008年10月18日付 Iran 紙

【政治部】テヘラン臨時金曜礼拝導師は、「欧米における最近の経済危機は、超大国アメリカの終わりの始まりであり、リベラル・デモクラシーの大いなる破綻である」と語った。

 ファールス通信の報道によると、アーヤトッラー・セイエド・アフマド・ハータミー〔※注:前大統領のモハンマド・ハータミーとは別人〕は先週第20回全国金曜礼拝導師集会が開かれたことに言及し、この集まりは実に目出度く、かつ価値のあるものだったと目を細めた。

〔中略〕

アメリカとその追従者たちは、「経済のツナミ」に襲われた

 テヘラン金曜礼拝導師は演説の中で、欧米の経済危機に触れた上で、「アメリカとその従属者・追従者たちは深刻な《経済のツナミ》に襲われた」と声を荒げた。

 同師は、この経済的破綻が単なる欧米の経済的破綻などではないと指摘し、「これはリベラル・デモクラシーの破綻でもある。一部の者たちは、リベラル・デモクラシーは歴史の終わりにおける理想郷であり、アメリカこそその盟主であるなどと言っていたが、今日われわれは、この理想郷なるものが問題に突き当たり、大いなる打撃を被っているのを目撃している」と論じた。

 テヘラン金曜礼拝導師は、この打撃は経済的破綻である前に、倫理的破綻なのだとして、次のように語った。「リベラル・デモクラシーは、唯一値段がつけられないものとは人間性と人権であると主張してきた。しかし、リベラル・デモクラシーを語る者たちが実際に世界中で行ってきたのは、数々の裏切り行為であり、グアンタナモやアブー・グレイブ等での野蛮な拷問の数々だった」。

 同師は、この危機の根源はどこにあるのかと問いかけ、次のように述べた。「この危機の根源は、米大統領(ブッシュ)とその協力者たちの傍若無人の振る舞い、専横的な行動にある。彼らはこの8年間、アフガニスタンやイラクなど、望んだところにはどこであれ攻撃を仕掛けてきた。最近ではパキスタンで騒擾を煽っている」。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師は、「このような米政府の行動は、攻撃の対象となった国々の人民には死を、自国民に対しては貧困をもたらした」と強調した。

 同師はまた、あらゆる点でアメリカと複雑に絡まり合っている一部のアラブ諸国は今や危機的状況に陥っていると指摘し、「アメリカという頼みの綱はすでにボロボロだ。その偉容が音を立てて崩れるのが聞こえる。一部の専門家が論じているように、これは超大国アメリカの終わりの始まりなのだ」と論じた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14954 )