キャッルービーの次期大統領選出馬表明に対して、改革派陣営からは冷たい反応
2008年10月15日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】メフディー・キャッルービーの次期大統領選への立候補表明に対して、他の改革主義諸派からは冷たい反応が示されている。

 改革派に属する著名人らは、「キャッルービーは自身の市民としての権利を利用したということ」、「〔改革派内の〕連帯を損なってはならない」、「キャッルービーが立候補するであろうことは以前から明らかであった」などと一般論的な意見を表明することで、慎重かつ間接的にキャッルービーの立候補表明への不満を表現しようとしている。

 キャッルービーの来年の大統領選への出馬表明は、ハータミーに対しては立候補への躊躇いを強める効果をもつ一方で、一部の改革主義者らにとってはそれを解消する方向に働くと、改革主義諸派は見ている。キャッルービーの出馬はハータミーの出馬の可能性を低める一方で、ハータミーのために自身の出馬を控えてきた候補者らの出馬の可能性を高めているというわけだ。

 これより前、ハータミーが出馬しないならば、自ら立候補すると公言していたイラン自由・発展・開発財団(BARAN)執行委員会委員長のモハンマド・レザー・アーレフはメフディー・キャッルービーの出馬に反応する形で、「国の置かれている時代的状況や改革派の位置を考えるならば、われわれにはコンセンサスを実現させることが必要である。このようなことから、自ら立候補の資格があると考えている人は選挙戦に〔積極的に〕名乗りを上げることが望ましいと、私は当初より考えてきた」と語る。

 アーレフはその上で、「改革派戦線の様々な人が立候補に名乗りを上げることは、良いことだとわれわれは考えている。しかし最終的には、統一候補者を立てて第10期大統領選に臨むことができるよう、改革派は合意を尊重すべきだ」と付言した。

 マアスーメ・エブテカールもまた、「ハータミー不出馬の場合、改革派はキャッルービー支持で固まるか」との質問に対し、「予想するのはまだ早い。どのようなことになるのか、今後を見守る必要がある」と答えた。

 ファールス通信の報道によると、エブテカール・テヘラン市議はその上で、「大統領選の候補者に相応しいと考えている人は、男女に関わりなく、名乗りを上げるべきだ」と語った。同氏は「キャッルービーが立候補を表明したにもかかわらず、セイエド・モハンマド・ハータミーも名乗りを上げる可能性はあると思うか」との質問には、「ハータミーはまだ最終的な決断を下しておらず、立場の表明もしていない。しかしこの〔キャッルービーの立候補とハータミーの立候補の〕二つが矛盾することだとは思わない」と答えている。

 他方、モルタザー・ハージーは「立候補の意思を表明したのはキャッルービー氏が初めてではない。同氏の前にも、アーレフ氏が立候補を表明していた」と指摘している。ファールス通信の報道によると、ハータミー政権時代に教育相を務めたハージーはキャッルービーが次期大統領選への出馬の意思を表明したことに関し、「動機があって、大統領選に立候補する資格があると考えている人なら誰でも、目の前にある機会を利用し、その意思を表明すべきだと考える」と評価する。

 その上で、「キャッルービーが出馬の意思を表明したのは、時宜にかなっており、決して時期尚早ではない。キャッルービーは自らの構想や意見を、社会に広くアピールする機会をもつことになるからだ。もし今後立候補者が多くなるようであれば、キャッルービー氏自身が提唱した《調停評議会》の枠組みの中で、統一候補者について意思決定を行うこともできる」と付け加えた。

 イラン・イスラーム革命聖戦士機構の総書記も、「キャッルービー氏が立候補を表明することは彼の当然の権利であり、大統領選に立候補する資格・能力があると考えているその他の市民と同じである」と述べている。

 モハンマド・サラーマティー総書記は、メフディー・キャッルービーが立候補を表明したことは前もって予想が可能であり、決して予期せぬことなどではなかったとし、次のように付け加える。「キャッルービー氏によれば、国民信頼党や女性イスラーム会議をはじめとする改革派内の様々なグループや人々が、次期選挙に出馬するよう彼に要請したという。〔しかし〕改革派戦線内のその他多くのグループが推す候補者はハータミー氏である。もちろん、彼が立場を表明するのはまだ早い」。

 その上で「選挙までまだ8ヶ月ある。意中の人物に対する諸派の要望が、すぐに受け入れられるというようなことを期待するべきではない。特にハータミー氏に出馬を要請しているグループは、ハータミー氏がすぐに答えを出してくれることに期待するべきではない」と指摘している。

 他方で、ハータミー政権時代に国会担当副大統領を務めたアブタヒー氏は、「キャッルービーの大統領選への立候補は、ハータミーの意思決定に影響を及ぼすことはないだろう」と指摘する。

 ファールス通信の報道によると、モハンマド・アリー・アブタヒーはキャッルービーが来年の大統領選に立候補の意思を表明したことに関し、「キャッルービー氏はしばらく前から、出馬の意思をほぼ表明していた。日曜日の彼の立候補表明は、今後の社会状況を見守るといったものだった。キャッルービーの立候補表明は、〔改革派内に〕争いを惹起するようなものではないだろう」との見方を示している。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14956 )