パレスチナ内部対話会議、カイロで11月4日に開催へ
2008年09月29日付 Al-Nahar 紙
■ パレスチナ対話会議、カイロで11月4日に開催へ
■ ハマース、一方的な見解の押しつけに警告
2008年09月29日付アル=ナハール紙(レバノン)HPアラブ国際面
【AFP、ロイター】
ファタハ中央委員会のナビール・シャアス委員は昨日、パレスチナにおける分裂状態を終結させるためのエジプト提案について合意すべく、11月にカイロでパレスチナ内部対話会議が1日の予定で行われると明らかにした。一方、イスラーム抵抗運動「ハマース」は、この対話会議についてエジプトの運営方式を批判し、現在の方法ではファタハの見解が優先されることになるとの見方を示した。
シャアス氏は「パレスチナの分割状態を終結させるべくエジプトが提唱した案について合意するため、来たる11月4日にパレスチナ国民対話会議が1日の予定で開催される予定である。またそのおよそ一週間後には合意内容を採択するため、アラブ諸国外相会議が開かれる予定だ」と語った。
またシャアス氏は、「対話に参加するファタハとハマースを筆頭とするパレスチナ13組織は、エジプトが個々に協議を行ったうえで集まる予定であり、提案される事項の大部分については、事前に合意に達している筈で、もし1つか2つの対立点が残った場合には、全体の対話において結論が出されることになる」と述べた。
さらにシャアス氏は、自らが率いるファタハ代表団がエジプトのウマル・スレイマーン情報長官と先週行った会談は、パレスチナにおける現在の危機から脱するための「完全な合意に達した」と説明し、「我々は調印の準備ができている」と述べた。
シャアス氏によると、エジプトが提案した計画は「国民合意内閣」の編成を骨子とするものである。同内閣は、「ガザ地区封鎖の解除、(エジプトとガザ地区の境界線上にある)ラファハ通行所の開通、治安諸機関の再統合、国民的かつ職能的な基準に則った同機関の再建、適切な時期に自治政府大統領選挙および立法議会選挙を実施するための準備、という5つの任務を委任されることになる」という。
シャアス氏は、「ファタハは政府のありようについて特定の形式にはこだわっておらず、連立内閣であれテクノクラート内閣であれ異存はない。しかし現在のような状況では、明確な政治的帰属をもたない人々による内閣が組織されるのが望ましい」と述べた。
またシャアス氏は、国民和解内閣の樹立で合意が成立すれば、大統領選挙および立法議会選挙の期日の決定は同内閣に委ねられることになり「両選挙が同時に行われることは必ずしも条件とはされない」と述べた。またその場合には、全員がその決定を受け入れる新内閣に全ての事柄が委ねられる以上、パレスチナ自治政府大統領が来年1月以降も留任することの合法性をめぐる対立は終結することになると指摘した。
ハマースは、パレスチナの憲法とみなされるパレスチナ基本法において、自治政府大統領の任期は4年と定められていることから、パレスチナ大統領が2009年1月9日には任期の終了を宣言するよう求めている。
一方でファタハは、パレスチナ選挙法の条文に基づいて、大統領の任期は現在の立法評議会議員の任期終了とともに終了するとの見解を示しており、アッバース大統領の在任期間のうちアラファート前大統領の死去から現議会の選挙までの1年間は例外的な期間であったとの立場である。
シャアス氏は、ハマース代表団とエジプト情報局長官の間で10月8日に行われる会談によって、エジプトが他のパレスチナ諸組織との協議を経て明確化した提案に対する「ハマースの反対姿勢が緩和されること」に期待を表明した。
■ ハマース
しかしハマースは、対話会議の準備にあたってエジプトが採用している方式はハマースに対するある種の圧力となり、対話会議の結果がファタハ側に有利になるのではないかと懸念している。
ハマースのウサーマ・ハムダーン政治局員は、エジプトがパレスチナ諸組織の採択を求める予定の提案文書について、「全面的な受け入れか全面的な拒否かを要求する文書や提案」が押しつけられるような対話は望まないと述べた。また、「エジプトの努力は評価すべきものだとは思うが、あるべきパレスチナ内部対話の姿ではない。求められているのは、パレスチナ人全員が対話のテーブルにつき、一方の見解を他方に押しつける企てなしに全ての課題が提起されることである」と述べ、エジプト政府がファタハを支援していることをほのめかした。
(後略)
( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:15023 )