経済危機緊急対応策の概要固まる―4つの方策を軸に
2008年11月23日付 Hurriyet 紙

タイイプ・エルドアン首相がインド訪問からの帰国後、発表を計画している新たな包括案の詳細が形になりつつある。政府は、行き詰った市場で通貨流通量を増やすために4つの技術的対策を計画している。

タイイプ・エルドアン首相がインド訪問後に提示する新経済包括案の基本目的は、縮小した市場で通貨流通量を増やすはずである。このため4つの方策が検討されている。

■出稼ぎ労働者の外貨
国外のトルコ人の預金は現在、中央銀行に預けられている。しかし中央銀行は、これらの預金を(なるべく短期間に)解約させるために、これらの預金への利子を低く抑えている。提案された方策では、(ドイツの)ドレスナー銀行経由で預けられた在外トルコ人の預金が中央銀行から農業銀行へ移されることが検討されている。農業銀行がこれらの預金に与える利息を増加させることによって、現在100億ユーロの額がより増えると見込まれている。このようにして、長期間使用されていない在外労働者の外貨が融資にまわされる道も開かれる。労働者たちの口座が、公的金融機関の外に設立される基金に移譲されることも検討事案のひとつである。

■外貨融資額増加
市場での流動性の低下は、外貨の流入が減少したことが原因である。銀行業界は、国外で資本を調達することが困難になっていると見られる。このため国内の外貨口座預金に対し中央銀行に備えられる外国為替準備金を、(融資額の)11%から6%に減少させる選択肢が検討されている。これによって融資として使うことが可能となる50億から60億ドルの資金源が銀行に対して作られたことになる。一般消費者向け融資のためには、新トルコリラ預金引当金の引き下げも議論されている。

■新たな信用保証基金
現在の信用保証基金は、トルコ会議所・商品取引所連合(TOBB)組織内で機能している。国庫からこの基金に資金移譲をすることは、不安を引き起こす可能性がある。このためトルコ会議所・商品取引所連合は、新たな信用保証基金の設立と、国家予算による運営を提案している。その基金からはまず、投資が最終段階に入っているが、資金調達に問題があり、完了することができていないプロジェクトがサポートされる。トルコ系企業は、資金調達の問題により、海外輸出提携先や入札に参加するチャンスを失っている。このため、新たな公的資金調達の仕組みを構築することは、産業界が求める要望のひとつである。

失業基金から融資されるプロジェクトの数は、資金額を考慮すると現実的ではない。このため、基金からのサポートは、仕事を失った中年層の労働者や技術を持たない労働者への職業訓練目的に限られる可能性がある。

■預金保証は増加、ただし「無制限」にはならない
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、預金保証額は増えるが、「無制限」にはならないと述べた。エルドアン首相は、インドのトルコ大使館のアネックス館の開館式典の際に新聞記者たちの質問に答え、包括案については、「部下にこの問題を指示した。作業をしてくれている。G-20サミットで出された宣言の枠組みにも、またわれわれの視点も含まれる作業でもある。帰国したらすぐ、決定するつもりです」と述べた。

■包括案の内容
中央銀行に置かれている出稼ぎ労働者の口座が農業銀行に移され、130億ユーロ規模の融資資金が作り出される。

外国為替法定準備金の比率を下げ、40億~50億ドルが融資資金となる道を開く。

新たな信用保障基金と海外における保証制度の設立について作業が行われている。

失業基金からは、技術を持たない労働者に職業訓練を行う。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:15178 )