スカーフ着用女性を侮辱する発言をした医師、10ヵ月の懲役刑
2008年12月02日付 Zaman 紙
診療所に来たスカーフ着用の二人の女性を侮辱する発言をした医師に、10ヶ月の懲役刑が科せられた。今年の4月にコンヤでヤルヒュユク診療所に来たガムゼ・チャクジュさん(20)とハジェル・クルンチさん(24)は、診療所で医師のエロル・エレン被告(64)に侮辱的な態度をとられた。
エレン被告は被害者たちに「もう少し現代的になってください、こんな身なりでこの辺にこないでください」といったとして、チャクジュさんが裁判所に告訴し、勝訴した。医師に科された10ヶ月の懲役刑は、10,500新トルコリラ(約62万円)の罰金に変えられた。コンヤ保健局のハサン・キュチュッケンディルジ局長は、裁判所の判決に引き続いてエレン医師について調べ始めた。診療所で起こったこのスキャンダルを共和人民党所属のアティッラ・カルト氏は国会の議題にとりあげた。
エロル・エレン医師の侮辱的発言を告発したガムゼ・チャクジュさんは、事件のことについて以下のように説明した。「友人のハジェルと貧血の診療のためにエロル医師の部屋に入った。私たちに「こんな身なりでここにこないでください、もう少し現代的になってください」と言った。その後も机の上にあった自分の娘の写真を見せて、「見てください、私の娘です。すごく現代的でしょう」と言って私たちにますます非難を浴びせ始めた。その非難に言い返したかったが勝ち目がなかった。診断書に薬を書きこみ、話は続いた。口論をこれ以上大きくさせたくなかった。部屋を出るときも隣にいた看護師に「この子たちの顔は忘れないな、じゃあまた」といっているのが聞こえた。帰宅してこのことを父に話した」
娘への態度に対して裁判を起こしたユスフ・チャクジュさんは、保健省にも告発書を送った。コンヤ県保健局は、医師を取り調べることに許可を与えなかった。父親のチャクジュさんは、シェイテシェヒル検察に訴えを起こした。この訴訟を担当した簡易裁判所は、エレン被告は「その意図と動機を考慮するなら最低」1年の懲役刑を科すとしたが、被告は口頭審理で反省も見られるとして、10ヶ月の懲役に減刑した。その後この刑は10,500新トルコリラの罰金になった。コンヤ保健局のハサン・キュチュッケンディルジ局長は、裁判所の判決に引き続いてエロル・エレン被告に関しての調査を始めた。判決を評価しているガムゼ・チャクジュさんは「司法に訴えることに迷いはなかった。私たちの経験がみんなの教訓になることを祈っています」と話した。父親のチャクジュさんもこの結果は自分たちにとってとても重要であると述べた。
共和人民党所属のアティッラ・カルト氏は診療所で起きた事件をトルコ大国民議会の議題に取り上げた。カルト氏は、レジェプ・アクダー保健大臣の返答を求めるこの動議で、スカーフを着用した女性が診療を受けることができないことなど、あってはならないと発言した。カルト氏は、「これは道徳的にも間違っているし、国家は保健行政を制限なくまた条件も設けずに実行するという責任をも果たしていない」と述べた。
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
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