トルコプロテスタント教会:IDカード宗教欄に安全のため「イスラーム」と書かせています
2008年12月09日付 Milliyet 紙
トルコ・プロテスタント教会連合が委員会に行った申請で礼拝場所の問題を抱えていることがわかった。
トルコ・プロテスタント教会連合が礼拝場所に関して生じた困難に関しトルコ大国民議会人権協会に行った訴えの中で、同連合が、信徒の大部分に差別に遭わないため、また安全のためにIDカードの宗教欄に「イスラーム」と書かせていることが明らかになった。
委員会の委員に配布された「トルコにおけるプロテスタント教会の礼拝場所に関する問題」という題の報告書では、トルコにおけるプロテスタント人口は約3500人であることに触れられ、「信仰の自由の重要な部分である『礼拝場所の確保』に関して大きな問題に直面している」と述べられている。報告書では以下のような表現が見られた。
■イスラームと書く
「礼拝場所を確保するための申請は、街区役場での手続きにより行われている。トルコ全国における信徒の数は、約3000人から3500人と推測されている。つまり、プロテスタントの信者がある街区に集中する可能性は極めて低い。ある街区に信者が集中したとしても、信徒の大部分はIDカードの宗教欄に、差別に遭わないため、また安全のために「イスラーム」と書いている。このため、ある人がクリスチャンであっても、街区役場の記録ではそれは見られないのである」
報告書は、法整備がなされているにも関わらず、実際には礼拝所を開設することが非常に難しいと強調し、「問題は、基本的にプロテスタントや他の非ムスリム集団の存在や活動を、国家組織が、脅迫、妨げる必要がある活動として認識していることから生じている」と述べている。
同報告書では、「国が公的役割への見方を変えること」が提案された。そして近づきつつある地方選挙がキリスト教徒にマイナスの影響を及ぼしていることが強調された。「地方統治機関や特に自治体が、得票数を心配して、教会を建設させたり、または教会建設許可を与える組織に見られないよう、礼拝場所に関する要求に消極的なアプローチをしている問題が深まっている」と述べられている。
■提案
報告書では、プロテスタント教会の問題を解決する提案が、以下のように列挙された。
―非ムスリムであるトルコ国民の権利が、地方自治体にも積極的に伝えられるべき。公務員にもこの方向で教育が行われなければならない。
―礼拝場所に関する法律は条件を軽減すべき。特に2500平方メートルが必要であるという条件は廃止されなければならない。
―小さな礼拝場所の建設が可能になるように法整備が必要。
―自治体は礼拝場所の予算計上においてより中立的になるべき。
―自治体および文化省に登録され閉鎖、または礼拝以外の目的で使用されている歴史的教会堂は、キリスト教団体の使用に開かれるべきである。
―行政事務員による許可基準を明確にし、皆にわかる形で透明性のある状態にすべき。
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( 翻訳者:白石百合子 )
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