テヘラン大学で団結強化事務所による集会が開催:一時不穏な雰囲気に包まれる
2008年12月08日付 E'temad-e Melli 紙
写真:ファールス通信
写真:ファールス通信

【政治部】昨日テヘランのエンゲラーブ(革命)通りを通った人なら誰でも、テヘラン大学の門の前で多くの学生らが集まっていた印象深い光景を目にしたことであろう。彼らは団結強化事務所〔※〕の呼びかけで「アーザル月16日」通りおよびテヘラン大学に集まり、「大学:自由の叫び」と題された集会に参加した学生たちだ。
〔※団結強化事務所は左派系の学生組織で、革命直後は米大使館占拠事件を起こした「過激な」学生たちの組織だったが、ホメイニーの死後はイランの改革・民主化を要求する学生組織へと性格を変えていった〕

 イラン学生通信(ISNA)の報道によると、テヘラン大学当局者によれば正式な許可を得ずに行われたとされるこの集会で、集会参加者らはまずプラカードを手に工学部の入り口に向けて行進し、その後輪を作って「小学校の友人」や「おおイラン、すばらしき国」を合唱したとのことだ。

 その後集会参加者らはテヘラン大学内を、「小学校の友人」を歌いながら西門へと行進、治安維持軍が大学の周囲を取り囲む中、学内にいた学生らは門の方向へと駆け寄り、学内に入りたがっていた学外の人々を中に引き入れようとした。しかし、集会参加者らは門を破ることができず、学外の人々を中に入れることができなかったため、今度はアーザル月16日通りに面した北門に移動、シュプレヒコールをあげながら同門前に姿を現した。そして彼らは大学の門をついに打ち破り、外にいた人々を学内に引き入れることに成功した。

 このとき学内から学外の通りに対峙した学生らは、そこに居合わせた治安維持軍に対してシュプレヒコールをあげ、その後学内に移動していった。集会参加者らはその後、〔アフマディーネジャード大統領率いる〕政府に反対するシュプレヒコールをあげながら、工学部前に集まり、そこで大学の治安局によって〔拘束されたとされる〕大学生2名が未だ釈放されていないことを理由に、今度はプールスィーナー通りに面した医学部方面へと移動した。

 集会参加者はそこでもシュプレヒコールをあげていたが、医学部治安事務所に向けて投石行為に及ぶ者も数名現れた。このような中、一部の学生からは「どんなことがあっても破壊行為は慎むように」と訴える声が出たが、このような訴えにもかかわらず、一部の集会参加者らはテヘラン大学に唯一残された医学部前にあるゲートを破壊する行為に及んだ。

 集会に参加した一部学生がテヘラン大学の治安関係者と話し合った結果、上記2名の〔大学当局によって拘束された〕学生が〔拘束を解かれ〕集会に再び合流することとなった。そして集会参加者らは再度シュプレヒコールをあげながら、工学部前に移動した。

 集会参加者らが工学部前に集まると、今度はそのうちの二名が共産主義のシンボルが描かれた旗を掲げた。これに対して別の参加者らから強い抗議の声が上がり、集会参加者同士の小競り合いへと発展した。結局、共産主義の旗を降ろすことで事態の収拾が図られた。

 その後しばらくして、集会参加者らは工学部前に座り込みを行った。集会を企画した人物は参加者らに対して、「このような集会が行われることを快く思っていない人も多い。それゆえ、混乱を惹起させるような物は手に持たぬよう、皆さんにお願いする」と呼びかけた。

 別の参加者からは、「われわれが今日ここに集まったのは、これまでと同様われわれは学生運動の真の理念を堅持していることを、声を大にして示すためである。学生運動の理想は国民の未だ果たされぬ理想でもある」との声が上がった。この人物は続けて、「表現の自由」と「学生組織による自由な活動」こそ、集会参加者が望んでいることであるとも語った。

 ISNAの報道によると、このような発言を受けて、さらに別の参加者は「学生運動は今回の集会によって、未だその存在を堅持していること、そしてこれからもその存在がなくなることはないということを示した。現在の学生運動は、右派、左派、リベラル派、社会主義派、宗教派、非宗教派など様々な党派と交流するべきだということを強調している」と声を上げた。

 続けて、アミール・キャビール大学からきた参加者の一人は政府を批判しつつ、学生運動の最も重要な使命は自由・民主主義・人権・正義・法治主義を推進し、国民としての誇りを高め、領土の一体性を維持し、抑圧に対して抵抗することであると訴えた。この学生は、学生運動では二つの点が忘却されたままになっていると指摘し、「勇気をもって〔信念を〕表現すること、そして暴力を否定すること、この二点が忘れ去られている。われわれはこれを実践すべきだ」と述べた。

 その後、アーザード大学の学生代表を名乗る参加者から、声明文が読み上げられた。また、集会に参加した女子学生の一人からは、「私たちは〔大学に入学する学生数を〕性や出身地で区別し、女子の大学入学を制限するような計画には反対です」との声も上がった。

 一部学生からのこのような発言があった後、集会の企画した責任者は集会の終了を宣言、各自解散し、正門へは立ち入らないよう要請した。しかし一部参加者は「正門だ、正門だ」とのシュプレヒコールをあげて正門方向へと移動、彼らはテヘラン大学正門前で足踏みをしながら立ちつくした。

 彼らはエンゲラーブ通りに面したテヘラン大学正門前に集まり、国や体制の責任者らを強く批判するスローガンを叫んだ。大学の外には治安維持軍が待機する中、彼らはテヘラン大学正門を打ち破ろうとした。このとき、大学内にいた一部の者からハータミー前大統領を批判するシュプレヒコールがあがり、集会参加者らからはこれに強く反発する動きが見られた。

 集会参加者らは大学正門前にしばらく立ちつくし、〔体制の〕一部責任者らを批判するシュプレヒコールをあげた後、正門を離れ大学構内へと移動していった。

 集会参加者らはその後テヘラン大学内にあるモスクの前に集まり、その後解散して集会は終わりを告げた。集会は12時に始まり、ほぼ15時まで続けられた。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15302 )