法の網の目を潜り抜ける海賊行為
2008年12月02日付 Al-Ahram 紙

■ 海運が危機に!
■ 国際法で処罰の対象から抜け落ちている海賊行為

2008年12月02日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP特集面

【報告:アイマン・アッ=スィースィー】

海の安全が海賊行為のため危険に瀕している中、国際法および国内法は海賊行為を取り締まり、裁判にかけることが出来ずにいる!

最近ではサウジアラビア船、その前にはエジプト船がソマリアの海賊に襲撃されるなど、数々の海賊行為が行われているにもかかわらず、海賊たちには法の手が及ばず、国際海運・国際商業は危険に晒されるままになっている。

時代が進んでも海賊行為は留まることを知らず、それどころか様々な様式・手段・動機を採り入れてきた。数年前から国際法の目の届かぬところで海賊による事件がいくつも起きている。海賊の活動はもはや特定の場所や地域に限定されておらず、インドネシアのマラッカ海峡、ケニア沿岸、タイ沿岸、バングラディシュ沿岸、コロンビア沿岸でも海賊行為が行われ、船舶の乗っ取りという犯罪が相次いでいる。ヨルダン船のファラフ号はスリランカでタミル人の分離独立を求める組織〔=タミル・イーラム解放の虎〕に属する海賊に襲われ、ソマリア海域やアデン湾でのシージャックは防ぐ手立ても罰則もないままにエスカレートしていった。

サラーフ・ラーシド船長は、「3年前から観光ヨットや小型漁船を狙うようになったソマリアの犯罪組織や、海賊への対策を怠ったために、ボートの金庫から巨大船舶へと、彼らの盗みの対象を拡大させてしまった」と見る。

海賊とその行為は世界の中でこの地域だけに留まらず、他にも様々な地域で起きている。ある地域の危険を喚起するために海上の船に警報を発するのはお馴染みのこととなっており、世界レベルの海洋学術機関や研究所は2年前から、テロや海賊対策のためのパトロールを増強している。また、海賊に襲われたことを知らせるために船籍国とつながる警報装置を全ての船に装備させることが義務的条件となっているのだが、サラーフ・ラシード船長によると、「問題は、船籍国は海賊が起こった地域の最寄りの国に状況打開のための海軍部隊を派遣させるよう連絡する以外には、何もしないということだ」という。

「軍による追跡が今のところ国際商業を守るにあたって最も有効だ」と、今年のラマダーン月にソマリアの海賊に襲撃され、エジプト総合情報局により解放されたマンスーラ号の船主ムハンマド・サバフ氏は語る。そして、「フランスもジブチにある同国基地から2つの軍事作戦を行い、海賊たちを拘束した。こうした軍事的対策が続かなければ、海賊は世界の体内に癌腫瘍のように広がっていくことだろう。海賊行為は物理的な被害に加えて、保険料を割り増しさせることによってこれらの海路における交通コストを上昇させ、これらの地域から逃げ出す経済スピードを増すことで、紅海やスエズ運河での海運にも影響を与えるだろう」と続けた。

ムハンマド・サバフ氏が言う通り、海賊行為によってスエズ運河とそこでの航行は影響を受けている。世界中の海洋にはいくつもの軍事大国の艦隊や基地が存在している以上、他にも何か問題があるはずだ。国際法も国内法も海賊を取り締まりきれない中、スエズ運河の行く末はどうなるのだろうか。ウサーマ・アル=グンディー船長はこう語る。「今のところ国際法も国内法も、海賊たちに対し、その行為の規模や影響に見合うだけの取締りができないでいる。それを示す良い例が、インドネシアで海賊たちが窃盗犯として裁かれた一件だ。これは国際刑事法にも国内の刑法にも海賊行為を定めた文言がないためで、エジプトの刑法にもそうした文言はない」。

このため、同船長が言うとおり、船舶検査に当たっていたイギリスの海軍部隊が2週間以上前にソマリア人の海賊8人を拘束した際にも、イギリス側はケニア当局に海賊を引き渡したのである。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15307 )