イラン結婚事情〜なぜ早い?なぜ遅い?:「結婚の日」特別レポート
2008年11月30日付 Jam-e Jam 紙
【社会部:キャターユーン・メスリー】公式の統計によると、イランでは結婚数が増加傾向にあり、
離婚の上昇傾向も下降気味であることが報告されている。また、
イマーム・レザー友愛基金の支援で行われている400万トマーン(約40万円)の融資によって、婚姻数が望ましい状態にまで増加することが期待されている。
しかしこのような事情にもかかわらず、依然として若者の結婚問題を監督している関係者たちは、〔若者の結婚をめぐる状態は〕危機的な状況にあり、晩婚化が進んでいることを明らかにしており、新たなアイディアを練るなどして、国の年間の婚姻数を約85万組から140万組にまで増加させることが望ましいとの見解を示している。
公式の統計が示すところによると、過去数ヶ月間で、婚姻数は8.1%上昇したのに対して、離婚上昇率は6.2ポイントの減少に転じたという。しかし、これまで一度も結婚したことのない人の数は2350万863人にのぼり、うち1313万970人は男性が占めている。
社会問題の専門家は、社会の時代的・地域的条件に応じて、結婚に適した特定の年齢層があるとしている。その年齢というのは全国どこでも同一というわけではないが、概ね、女性は15〜27歳、男性は18〜30歳とされる。
〔中略〕
これらの専門家によれば、経済的な問題や合理的判断基準の多様化、就職難、大学での学業継続といったことが晩婚の要因になっている一方で、民族的・部族的な因習、家族や両親のプレッシャー、性的欲求といったことが早婚の要因になっているという。しかし晩婚・早婚のいずれも、離婚数への影響や人口の増減、心理的ストレス、鬱といった結果と無関係ではない。
国の重要な文化計画の一つに、若者の結婚年齢の上昇を考慮した、結婚の新たな基準づくりがあると思われる。
金銭的支援、安価な住宅の供給、就職機会の創設、性的な力の抑制のための教育といったことは、若者を適齢期での結婚へと導くことにおいて有効な施策となりうるだろう。
結婚促進法の可決により、若者の経済的困難を短期間のうちに解決するための方策が見られたが、しかし識者たちは、若者の適齢期での結婚を普及させるためには、抜本的な解決策を打ち立てる必要があるとの見方を示している。
※訳注:「結婚の日」は初代イマーム・アリーと預言者ムハンマドの娘ファーテメが夫婦の契りを結んだことを記念して制定された日
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( 翻訳者:阿部文美 )
( 記事ID:15317 )