オスマン軍楽隊のようなゆっくりとした歩みでEU加盟へ
2008年12月19日付 Milliyet 紙
http://i.milliyet.com.tr/HaberAnaResmi/2008/12/19/fft17_mf150018.Jpeg
2005年にはじまったEU加盟交渉で、今日新たに2項目での交渉を開始するトルコは、交渉開始項目数を10とする一方、交渉を完了できた項目を1つにとどめている。同日にEU加盟交渉をはじめたクロアチアは今日で交渉開始項目数を22、交渉完了項目数を7に増やす。
トルコは今日(19日)ブリュッセルで行われる政府間会議で、EU加盟交渉プロセスにおいてさらに2項目の交渉を開始する。「資本の自由な流通」と「情報社会とメディア」の分野で交渉を開始することで、トルコは2005年から現在までに交渉を開始させた項目数を10に増やす。完了となった項目はいまだ1つだ。EUとの正式加盟交渉を2005年10月に開始したトルコが3年の期間を経た結果到達した地点は、プロセスが成功と判断されるのを非常に難しくしている。
■トルコだけが原因ではない
交渉が際立ってゆっくりと進められている原因は、ただトルコがEU加盟を副次的なものとして改革プロセスにブレーキをかけているからでも、提示された交渉開始条件の達成が不十分なままであるからでもない。
EU内でトルコの加盟を冷たい眼で見ている、または二国間関係において問題を抱えている一部の国々が、トルコ政府のテクニカルな成果を判断してとのこととはいえ、政治的要素を最前面に押し出していることが、交渉プロセスがとてもゆっくりと進んでいる重大な要因の一つになっている。
トルコが港湾と空港を(キプロスの)ギリシャ系の船舶と飛行機に対し開放することを盛り込んだ追加プロトコルに批准しなかったため、8項目が2006年末から現在まで棚上げにされている。トルコの正式加盟に反対するフランスは、多くの国が奇妙に思うアプローチで、5項目の交渉を「開始することはない」と宣言した。
これに加え、すべての技術的なプロセスも完了し、交渉開始準備が整っている「教育と文化」の項目もフランスによって2年以上交渉開始を停められている。南キプロス(キプロス共和国)地区は東地中海での石油探索による緊張を理由に「エネルギー」項目の交渉開始の障害となっている。
こうしたあらゆる政治的な問題に、各議長期にそれぞれ2項目の交渉を開始すること、このことの慣例化が、正式加盟がいまだ遠いということを明らかにする要素として注意を引く。次期議長国を1月1日に引き継ぐチェコ共和国の時期も同じことが予想される。
■市民の支持は大幅に減少
EU機関で世論調査を行うユーロバロメトル(Eurobarometre)は、最近2ヶ月で行った調査の第一次データを発表した。
それによれば、トルコでEU加盟を支持している人々の割合は前回の調査結果から7%減少し42%となった。トルコがEU加盟国になることで利益を享受すると考える人々の割合は58%から48%に減少した。EUがポジティブな印象を与えると考える人々の割合は8%下がって41%となった。
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( 翻訳者:倉本さをり )
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