イスラム会議機構の広告、イスラム世界を混乱させる
2008年12月25日付 Hurriyet 紙
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ことの発端は、アラブ連合とイスラム会議機構が各国紙に掲載した広告だった。この広告はトルコの新聞にも掲載された。内容は、アラブ連合とイスラム会議機構がイスラエル・パレスチナ問題の解決のため、アラブ和平プランを支持するというものであった。ここまでは何の問題もなかった。しかし、そこに各国の国旗が登場したため事態は混乱してしまった。というのも広告の真ん中に、イスラエル・パレスチナ問題を焦点に当てるという意図で、イスラエルとパレスチナの国旗が据えられた。そして広告の枠に沿って、イスラム会議機構に所属するすべての国の国旗が並べられた。ところが、朝になって新聞に掲載された広告を見たイラン政府は激怒。なぜならイランの国旗と、イランのマフムド・アフマディネジャード大統領が「世界地図から削除すべき」と言ったイスラエルの国旗が同じ広告に載っており、さらには国旗が上下に掲載されていたのだ。テヘランではすぐさま、すべての大使館に「緊急」の文書を発信した「イランの国旗とイスラエルの国旗が同じ広告に掲載されるとはどういうことか。至急、抗議し修正させよ」

トルコ人事務局長に抗議
イランはまずイスラム会議機構(İKÖ)に対し抗議を始めた。イスラム会議機構の事務局長であるトルコ人のエクメレッティン・イフサンオール氏に「我々の承諾を得ずにあのような広告を掲載した。しかもイスラエルの国旗と並べるなんて」と強く抗議した。
その後、広告が掲載された国々に対しても抗議をおこなった。問題の広告はトルコの新聞にも掲載されたため、アンカラのイラン大使館でもすぐに対応がなされた。「今回の広告とイラン政府は何の関係もないこと」、広告が「イラン政府に知らされず、未承諾で作成されたこと」を公式な声明として伝えた。
声明の具体的な内容は下記のようなものだった。
「イラン・イスラム共和国の在アンカラ大使館として、イラン・イスラム共和国の国旗がイスラエル国旗の横に並べられることに強い抗議を示したい。イスラム会議機構に参加する各国と協議することなく、意見を聞くこともせずにイスラム会議機構の名前やエンブレムが描かれているところに、イスラエル政府の旗を並べるなどという広告を行うことは間違いであり、機構の規約に反するものでもある。……」
現在イランの人々は、「テヘランの政府に対してこのような陰謀を企てた黒幕が誰なのか」せっせと探しているという…。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:15414 )